油絵のひみつ「支持体について」

こんにちは。インターン生の武井です 今回は油絵の支持体についてのお話です。

前回まで、油絵を描くために必要な「油」と「油絵の具」についてご説明しました。しかし、これではまだ、制作するには足りません。絵を描くには、支持体、つまり用紙の類が必要です。

油絵の支持体といえばキャンバスですね。布を木の枠に張ったものです。キャンバスといえば油絵、とも言えるでしょう。
画材店ではノートサイズから大窓サイズまで様々な大きさのものが売られています。布と木枠は別々でも売られているので、木枠を自作したり、自前の布を張ったりすることもできます。
布には主に麻布が使われます。縦横についた織り目が特徴的で、乾性油によく耐えます。絵の具の乗りが薄い部分には織り目が透けて見え、これが油絵風の味にもなっています。
問題は少々値が張ることです。張り済みのキャンバスでは、大きな画用紙程のサイズでは千円程度はかかります。

ピンと張ったキャンバスは太鼓のように弾みます。この、画面の弾力や、布地の織り目を気にする人もいるでしょう。
油絵は板地に描くこともできます。木材の平らで硬質な描き味は一度試してみるとよいと思います。地塗り塗料で下地を作ると描きやすくなります。地塗りの表面を研磨紙でよく磨くと、非常に平滑な面を作ることが出来ます。
木板は、木枠に布張りのキャンバスと比べると当然重量がありますので、あまり大きなサイズの制作には不向きです。

習作にはダンボール紙も使えます。そこそこ頑丈で吸収性があり、ダンボール特有の縞状の目が案外楽しいものです。
大きなサイズでも軽く、形状を保ってくれるのは魅力です。

紙に描くことももちろん可能です。しかし、油との相性がよろしくありません。紙に油が浸み込む様子は容易に想像できますね。
油の量を少なくするとガザガザとして描き味が悪いですし、油が多くても吸われる量が多く、延びがよくありません。
紙に描く場合におすすめするのはオイルバーという画材です。
これは油絵の具を棒状に固めたもので、かなり柔らかい描き味です。
当然油分も含みますが、あまり問題なく、クレヨンのように描くことができます。
オイルバーは乾燥すると表面が膜状に固まります。描画した部分も時間を置くと乾燥して膜を作るので、紙にオイルバーで下絵を作ると、乾燥した表面で油絵の具が使いやすくなります。

支持体とは異なりますが、立体物の塗装にも油絵は使えます。
その際は、油絵の具が食いつきやすいように表面を仕上げておくといいです。
油が浸み込む余地があれば油絵の具は定着しやすいので、表面を研磨して細かなキメを作っておくか、ツヤ消しのスプレーを吹くなどしておくと、よく絵の具と手を結び、乾燥後も塗装部分が保たれます。

最後に、キャンバス上に硬質な描き味を求める方に、非常に簡単な地塗りをお教えします。
焼きセッコウを使います。安いもので構いません。これを油絵の具に混ぜて塗るだけです。
絵の具の色はなんでも使えますが、チタニウムホワイトが丈夫です。そのままでもいいですが、少し色を足してグレーめにすると後で描きやすいと思います。
色付きの画面が好きな方はその色を使ってください。絵の具とセッコウはだいたい1:1です。セッコウの方が少し多いくらいでも問題ありません。絵の具の節約にもなります。
そのままですと少し混ぜ辛いので、先に、画材店で売っている速乾メディウムをセッコウに混ぜて練っておくと、絵の具と混ぜやすくなりますし、あっという間に乾燥します。
絵の具と混ぜる前にセッコウのダマを潰しておく意味もあります。

パレットナイフを使って、メディウムと混ぜたセッコウと油絵の具をよく練り混ぜます。塗るときもこのナイフを使って平らに塗っていきます。
完全に平らにするのは難しいので、起伏ができても気にせずに塗ってしまいましょう。全体に塗れたら、気になる部分ををナイフでならしていきます。
このときも、ほどほどで大丈夫です。ナイフの跡が、後で薄く絵の具を乗せたときに浮かびあがり、全体にパターンが生まれます。
この起伏が、上に一様に色を塗った場合も、平坦な印象を打ち消し、多様な感じを生み出します。また、研磨紙を使えば平滑にすることもできます。
この地塗りをすると、キャンバスの布目は消えてしまいますが、変わりに、表面にセッコウの粒子状の模様が生まれます。
相当硬い塗料になるので、厚く盛ることも、粗めに混ぜてデコボコの表面を作ることもできます。地面のような効果も簡単に作リ出せます。
絵の要素に合う使い方をしてみてください。
注意点ですが、筆や刷毛の使用はおすすめしません。本当にあっという間に硬質化しますので、筆がダメになってしまいます。

何に描くか、どんな表面に描くかで、描き味はずいぶんと変わります。
したい表現に合った支持体を選ぶことが理想ですが、「試しに、これに描いてみよう。」と、遊んでみてもいいと思います。
その支持体の性質が画面に及ぼす効果から、表現のヒントが得られるかもしれませんよ。

以上、油絵に使う支持体についてのお話でした。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

インターンシップへの申し込み・お問い合わせ先

インターンシップへの申し込み・お問い合わせ先
メールでのお問い合わせは、下記フォームに入力して送信してください。
ご氏名 (例)山田 太郎
メールアドレス 半角英数字:ご入力間違いのないようにご注意ください
メールアドレス(確認用) 半角英数字:ご入力間違いのないようにご注意ください
電話番号 (例)0354339211 ※ハイフン抜きで入力してください
題名
お問合わせ内容

アーカイブ

カテゴリー