油絵のひみつ「乾かないうちに描く」

こんにちは。インターン生の武井です。今回は、油絵の特徴である、「乾くのが遅い」ことについてお話しします。

「乾くのが遅い」というのは欠点であるように聞こえます。アクリル絵の具の、すぐに乾いてサクサク描ける性質がお好きな方は多くいらっしゃると思います。
絵の具が乾かないと、それ以上描き進められないような気がします。絵の具が混ざって汚くなってしまうからですね。

しかし、油絵の具は水ではなく油に溶くものです。油には粘りがありますから、未乾燥の上から別の色を重ねると、確かに混ざりますが、水のように滲むことはありません。
この滲まずに混ざる性質が、制作では良い具合に働きます。

前回お話ししました、乾かない内に、硬い筆で絵の具が油の中に入り込むように描く、というのは油の性質の賜物です。
すぐに乾いてしまう絵の具では、一度色を載せたら手出しが出来ません。乾燥しても水溶性のものなら水を使って変化させられますが、描いてある図を滲ませることになります。
比べますと、油絵では乾かないうちなら、色や形の微細なコントロールが効きます。
筆先を使って絵の具の「フチ」を削ったり、逆に伸ばしたりして調整が出来ます。
また、少しづつ色を加えれば、形象を滲ませずに段階的に変化させることもできます。

画面上に乗せた色を直接混ぜることもできますが、絵の具が厚くなってきてしまい、だんだんと手を加えづらくなってきます。
油絵の具は粘りがあるので、布やナイフを使えば、乗せた絵の具をそのまま取り去って描きなおすこともできます。

油絵の混色には3つの方法があります。
ひとつ目は絵の具を混ぜる方法です。まず混色といえばこのことですね。パレットの上で混ぜるのは他の絵の具と変わりませんが、前述の通り、乾かないうちなら画面に乗せた絵の具でも同じように混ぜることができます。
ふたつ目は透明色を重ねる方法です。これも、乾燥面に耐水性のある絵の具なら可能なことですが、油絵の具では、「透明層も乾かないうちなら手を加えられる」ことが大きく違います。
                 下絵を崩すことなく、透明色を混ぜ合わせたり、筆で削ったり、布で拭き取ってしまうこともできます。一度乾燥した油絵の具は強い膜となるので、少しのことでは絵が崩れません。
みっつ目は油の中に色を入りこませる方法です。これは油絵特有の方法です。乾いていない油の層を、削らないように、筆先を使うようにしてスッと線を引いてみます。すると、塗れた油の層の中に絵の具が引き込まれて線が沈みます。
                      水の中に糸を落として累積させていく感じでしょうか。同じように繰り返すことで、集合した線が網となり、色の諧調を変化させます。

一般的に「ボカす」とは、非常に柔らかいブラシで色の境界を曖昧にして描くことだと思います。油絵では、既に描いた画面でも、乾かないうちに柔らかい筆を使って同様のことができます。
加えて、「みっつ目の方法」でもボカすことができます。少し幅のある筆の先で、一度に何本も線を引くようにして、様々な方向に重ねていくと、編み目上にボカした境界をつくることが出来ます。

油絵の具には使い方の選択肢がいろいろとあります。絵の具や油を、試しに使いすぎたり、使わなすぎたりしてみると、その特性に早く慣れることが出来ると思います。
自分にとっての使い易さを見つけると、油絵の本当の楽しさが始まるので、扱いづらさを感じても、性質の一面を嫌わずに、いろいろと試してみてください。

今回は、油絵の乾かない性質のついてのお話でした。

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