「木版画技法」ついて

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第6回目では「多摩美の版画専攻について」と題し、多摩美の版画専攻について紹介しました。
第7回目では「木版画技法」ついてご紹介させていただこうと思います。

【木版画の歴史】
まず、木版画についての簡単な歴史をご紹介します。

木版画は数ある版画技法の中でもっとも古い歴史を持ち、製作年がわかるものでは868年に中国で制作されたものが確認されています。しかし、この作品がすでに精緻なものであることから、実際はそれ以前の7世紀ごろから木版画の制作は始まっていたのではないかとされています。これらはシルクロードをたどって東西へと伝わって行きました。

ヨーロッパでは1300年代後半からキリスト教の教義を広めたり、護符に利用したりすることを目的とした「プロタの版木」と呼ばれる木版画が作られるようになりました。また、1445年に活版印刷の技術が生まれると、聖書等の挿絵として発展しました。
しかし、印刷の質が一定で版が堅牢な銅版画の技術が生まれると、ヨーロッパでの木版画は停滞していきました。

引用元:http://www.joshibi.net/hanga/history/1300_1400.html

一方日本では、木版画は独自の進化を遂げます。日本では飛鳥時代に仏教や製紙技術と共に木版画は伝来したとされています。平安時代に法華経などの経典を作成などに多く利用されていました。しかし、江戸時代の慶長期に物語の挿絵として木版画が利用され始めると、浮世絵などの普及に伴って多色刷りの木版画が増え、見当やぼかし表現などの技術が発展しました。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5

【木版画の特徴】

木版画は、版材に木材を使用し、彫刻刀などで版面に作り出した凸部にインクをのせて、バレンやプレス機などで圧力をかけることで、インクを版から紙に転写する版画のことをいいます。版の加工が容易であるため、大胆で自由度の高い構成をしやすいのが特徴です。
近年では技法の研究が進み、彫った部分にインクを詰めて摺りとる凹版技法も開発されました。

引用:http://www.robundo.com/robundo/ichirin/?p=1101
また、木版画は板の木目の方向で「板目木版」と「小口木版」に分けることができます。
板目木版は、立木の状態で縦方向に切った木材を版とします。それに対して木口木版は、横方向に輪切りに切り出した木材を使用します。

・板目木版

多摩美術大学名誉教授 「吹田文明」作
『宇宙華』
引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/staff/s_fukita.html

多摩美術大学教授 「古谷博子」作
『風ー韻 No.2』
引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/staff/s_furuyahiroko.html

一般的な美術の授業で行う木版画や、浮世絵などは「板目版画」です。
水性絵の具を用いれば木目を生かした淡く柔らかな表現、油性インクを使えば大胆でハッキリとした表現で摺る事が出来ます。また、加工が容易であるため、多版多色摺りで複雑に色鮮やかな作品を作ることができます。
使用する版木はシナベニヤなどの合板、桜、朴などの無垢板が使われます。
(学生の場合は水性・油性両方に対応しやすいジナベニヤ、浮世絵などの作品では繊維の密度が高い桜の板が好まれています。)

・小口木版

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/staff/s_kobayashi.html
多摩美術大学名誉教授「小林敬生」作
『饒舌な風景–終章そして序章・B–2000』

・小口木版
木口木版は18世紀にイギリスで始められた技法で、主に本の挿絵で利用されていました。
基本的には油性インクを用いて、プレス機で印刷します。また、雁皮(ガンピ)という極薄い特殊な和紙を使って摺られる事が多いです。
小口切りした板は繊維が詰まっていてとても硬いため、「ビュラン」という道具を使って彫らなければまともに彫ることができません。その代わり細かく彫ることで、繊細な表現が可能です。
版木はツゲ、桜、梨、楓などが用いられます。小口で切った形そのままの版材もあれば、四角く整形したものもあります。

今回は木版画技法ついてお話してみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回からは木版画、銅版画、リトグラフの3版種のうち「銅版画技法」についてご紹介しようと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

〇はみ出し小話〇
版画の中でも木版画は特殊な道具が沢山あります。
彫刻刀や馬簾(バレン)、各種刷毛など様々な道具は個人の手癖によってこだわりが出てくるため、「マイ〇〇」として個人で買う人も多いです。
多摩美の版画専攻では、2年次の前期に木版コースの選択者全員で、都内の版画用具屋に買い付けに行くそうです。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

インターンシップへの申し込み・お問い合わせ先

インターンシップへの申し込み・お問い合わせ先
メールでのお問い合わせは、下記フォームに入力して送信してください。
ご氏名 (例)山田 太郎
メールアドレス 半角英数字:ご入力間違いのないようにご注意ください
メールアドレス(確認用) 半角英数字:ご入力間違いのないようにご注意ください
電話番号 (例)0354339211 ※ハイフン抜きで入力してください
題名
お問合わせ内容

アーカイブ

カテゴリー