防大を去っていく者達
こんにちは。
最終回となる今回は、防衛大を去っていく学生についてお話ししたいと思います。
防衛大はその特殊な環境やカリキュラム故に、途中で退校する学生も珍しくありません。しかしポツリポツリと抜けていくのではなく、ある程度「学生が辞めやすい時期」というものが存在しており、その時期に纏まって抜けることが多いです。
まずは4/1の着校から4/5の入校式までの五日間。防大に入ってきた学生はまず4/1に学生舎に入り、4/5の入校式まで「お試し期間」の様なものを設けられます。この期間で辞めれば手続きがまだ簡単なので、ここで実際の防大の様子を見て入校を取りやめる人は多いです。
その期間を抜けても、5月くらいまでは退校者がちらほら出ていました。このくらいの時期に辞めれば、もし一般大に入りなおすにしても一浪で済むというのも大きいでしょう。
次の退校ポイントはやはり二年次に上がる時です。防大生は二年次になって初めて学科に所属することになり、また陸海空の要員に配属されることになるのでここで希望が通らずに辞めていく人は当然出ます。筆者も要員志望が通らず第三志望の陸に配属になったのが退校の最大の原因でした。泳ぐことが得意で走ることが大の苦手な私は海上、航空、陸上の順で志望を出していましたが、私の周りの女子は殆ど海上・航空志望だったため私はあぶれてしまいました。そもそも、陸海空の人員は人数比が2:1:1になるようにしなければならないので、全員が海上か航空を志望していたら半分は希望が通らないようになってしまうのです。
私は足の遅さや体力のなさで部隊のお荷物になり続けることが嫌だったので、このタイミングで退校して、ずっとやりたかった神話の研究ができる一般大学に入り直しました。
厳しい一学年時代を抜けても退校者はまだ出続けます。意外にも、三学年で辞める人も一定数いるようです。三学年になると訓練で部隊に行って実際の仕事の様子を見に行ったりするので、そこで嫌になって辞める人も多いそうです。
また、なんといっても多いのは卒業後の任官拒否、すなわち防大を卒業した上で自衛官にならない道を選ぶ人達です。こうすると三学年退校とは違い大卒資格を持った状態で社会に出られるので、とりあえず4年間は我慢してこのタイミングで抜けようという人は非常に多いです。それとは別に、急遽実家を継がなければいけなくなって辞める人なども居ました。どちらにせよ、折角4年間予算を費やして育成した人材が辞めてしまうのは自衛隊にとってかなり痛手でしょうが……。
今回で、10回に渡って続いた防衛大紹介記事も完結となります。この記事が防衛大について興味を持っていただく切っ掛けとなったり、また防衛大に入ろうとしている受験生が防大の様子を知る手助けになってくれれば幸いです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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