第一回 こんな熱血キャラは見たことがない!

「なんか最近のライトノベルって似たような作品ばっかだよな」

この記事を見つけたあなたは一度はこのような想いを抱いたことがあるのではないだろうか?

「もっと斬新なキャラクターが見てみたい!」という読者のために今回から全五回に渡ってお伝えしていくのが「伊坂幸太郎」の生み出した珠玉のキャラクターたちである!

キャラクターの紹介に入る前に「えっ、誰それ?」という声も聞こえてきそうなのでかる~く紹介したいと思う。

伊坂幸太郎、ミステリー作家。
2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し作家デビュー。以降数々の文学賞を受賞したり本屋大賞にノミネートされたりとその活躍には目を光らせるものがありますが・・・・・・。

ラノベ読者の皆さんがブラウザバックするにはまだ少し早いのです。

文学?なにそれおいしいの?と首をかしげる読者の気持ちも分かります。確かに世に出回る文学作品は本当に深いテーマで物語を語ってくれる。いじめ、殺人、自己否定などのじっくり読み解くテーマがあれば最近では性別に関する社会的問題に切り込む作品も増えている現状だ。

確かにそういうことを考えるのは大切なことだと思う。

でも私たちが求めているのはそういう重っ苦しい物語じゃないんだ!

そんな思いに突き動かされた一人として、これからラノベ読者の皆様に伊坂幸太郎という男を”あえて”紹介させてもらおうと思う。

彼の強みはその「キャラクター」に不思議な命を吹き込めるところにある。どこかにいそうで、でもどこにもいない。そんなキャラクターたちは読者の心に残る数々の名台詞を連発するのである。例えば–

引用元URL https://www.shinchosha.co.jp/book/125025/

「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」-西嶋-

この西嶋は一見してみるととてつもなく不可能に近いことを言い放っている。
さては異世界に召喚された主人公か? それとも伝説の剣を引き抜いた勇者なのか?そうでなければ魔王の転生者だな?

目の肥えたラノベ読者ならこのように推察するのだろう。だってこんな大言壮語を言ってもかっこよくみえるのはイケメン主人公だけに決まっている。

だが、残念。この西嶋、麻雀で仕送りのお金を全額スってしまうような典型的だめだめ大学生である。

しかも小太り。

一見すると何のとりえもなさそうなキャラクターだが、彼には他のだれにだって負けない「正義の心」を持っているのだ。

ここで今回のピックアップキャラクター西嶋の登場する『砂漠』のあらすじを紹介させてもらおう。

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決……。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

あらすじから分かるように『砂漠』はTHE青春小説である。筆者も読んでいて「あぁ、あるある」と共感できる部分も多い。しかし何度でも言おう。この西嶋が素朴なテーマの作品に味を出しているのだ。

先ほど紹介した「砂漠に雪を降らせる」は西嶋が大学に入学して初めて学部生たちと顔を合わせる新入生歓迎会でぶちかました自己紹介の一説である。

酒の席に浮かれた大学一年生たち(飲酒は二十歳になってから!)であふれかえる居酒屋、そこに遅刻してきた西嶋が躍り出て来て

「平和を願ってピンフを、点数安いのに、頑張って作ってるのにね、周りのおやじたちがどんどん邪魔して、俺を負かすんですよ。俺は、世界を平和にしようとしているのに。これ、おかしいですよね」

いや、おかしいのはお前だろう!

そう言いたくもなる。せっかく盛り上がっていた宴席も彼の意味不明な一言で一気に冷え切ってしまうことになったのだから。

麻雀をやったことのある人ならわかると思うが、ピンフは漢字で【平和】と書く。だが、その配点は一番安い一翻役。大した見返りも求めないのは謙虚な姿勢で素晴らしい。だが、先述したように西嶋は賭け麻雀をしていたために歓迎会に遅刻していたのである。

つまり慈善活動のためとはいえ、賭け麻雀をやっていたのだ。これはいけない。

・・・・・・てか、そもそも麻雀で世界が平和になるわけがない!!

西嶋お前、いったい何を考えているんだ???

今回紹介させてもらった西嶋は今まで見たこともないような本末転倒な正義感をもつキャラクターだ。彼の言葉の一つひとつに譲れない信念のようなものが垣間見えるが、それは時に詭弁のようにも聞こえてしまう。他にも何に関しても積極的になれない北村、クールビューティーな東堂、超能力者の南、お調子者の鳥居という4人の友達が出てくるが彼らと西嶋の掛け合いが、読んでいて思わずクスッと笑ってしまうのだ。

特に世界を救ったり女の子にモテモテになったりする展開もない『砂漠』ではあるが、飽和したラノベコンテンツに不足を感じるあなたには刺さる作品であると筆者は確信している。

今回の記事で西嶋という男に興味が湧いたのならば、是非伊坂幸太郎『砂漠』を手に取ってみてほしい。そこにはきっと魅力的なキャラクターが待っているだろう。

ちなみに言い忘れていたが、西嶋は本作品の主人公ではない。脇役がこんなに魅力的すぎていいのだろうかと思うこともあるが、それゆえの伊坂ワールドなのだ。存分に酔いしれてくれ。

次回は『ギャング』シリーズ三部作から、あの演説の天才を紹介したいと思う。

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