「かわいい犬とツンデレ飼い主の関係にほっこり!『畜犬談』」

こんにちは。インターンシップ参加者の、守屋芽生(もりやめい)と申します。

皆さんは『畜犬談』という作品をご存知でしょうか。おそらく、知っている人はあまりいないのではないかと思います。私が大学で50人に聞いてみたところ、「知っている・読んだことがある」と答えた人は、1人しかいませんでした。

たくさんの人に知られていない作品なんだから、面白くないんじゃないの? と思う方もいるでしょう。

そんなことはありません。私は、今まで太宰の作品のほとんどを読んできましたが、これが一番印象深い作品だと思っています。

それでは、どんな話なのか。実は、『「畜」犬談』と言うくらいですから、内容の7割くらいは、犬の悪口です。2割で話の展開が語られると言っても過言ではないでしょう。それくらい、豊富な語彙で、巧みな手法で、犬の悪口が語られています。残りの1割は何か。これは、読んだ人にだけ分かることです。

あらすじを説明します。

主人公の「私」は、犬が大嫌い。なのに引っ越してきた甲府の町には、どこへ行っても犬がいるんです。犬に噛まれたくない。その一心で、主人公は、犬に会うたびに微笑んでみせて、優しい人間だとアピールします。犬に目を付けられないように髪を切り、ステッキを持つのもやめ、無害を装って歩いていた「私」。この行いが功を奏すかと思いきや、なんと、犬に好かれてしまうんです。

そしてあるとき、一匹の犬がついてきて、主人公の家に住み着きます。「仕方なく」、その犬にポチと名付けて、家内と一緒に飼うことを決めるんですね。

犬が嫌いなのに、犬を飼う。変な話ですよね。でも、面白いのはここからです。

洗濯物を引きずりおろして泥まみれにしたポチのことを、主人公が語ります。

「こういう冗談はしないでおくれ。実に、困るのだ。誰が君に、こんなことしてくれとたのみましたか? と、私は、内に針を含んだ言葉を、精一ぱい優しく、いや味をきかせて言ってやることもあるのだが、犬は、きょろりと眼を動かし、いや味を言い聞かせている当の私にじゃれかかる。なんという甘ったれた精神であろう。」

この辺りから、あれ? と思い始めます。犬がそんなに好きでもない私が「そこまで言うのか?」と思うくらい悪口を言うんですが、案外ポチに構うんだな、と分かってくるんですね。この主人公、嫌いだと何度も言いますが、散歩には連れて行くし、姿が見えなくなったら探し回るんです。そのちょっと滑稽な姿に、思わず笑顔になってしまうのは、間違いありません。

 物語の終盤、ポチが皮膚病にやられてしまいます。複雑な事情が重なり、主人公夫婦はポチを殺そうと話し合います。「私」はポチをどうするのか。この結末は、是非作品を読んで確かめてください。

ちょっと笑った後に、心が温かくなる。そんな話です。

この作品は文庫本換算で、なんと20ページしかありません。ほんの20ページで味わえる笑いと感動を、是非味わってみてはいかがでしょうか。

今回は『畜犬談』について書かせて頂きました。

次回はまとめ、外部から見る太宰治像についてお話しします。

引用…太宰治「走れメロス」(収録『畜犬談』) 角川文庫 平成26年5月10日 改版7版

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