ウイスキーの魅力(2)

 前回の記事でウイスキーがどんなお酒か解説しつつ、その魅力について説明した。その魅力は、自然の恵みと環境と、人間の技術にあるのではないかと結論付けた。しかし、熟成による自然の恵みと環境の影響について多くを述べたが、その技術については簡単にしか触れることが出来なかった。そのため、今回は、その人間の技術について触れていく。

 ウイスキーの品質を安定させるには人間の技術が欠かせない。熟成が終了したウイスキーの味わいには、樽ごとに個体差が生じている。この個体差は、年毎の気候の違い建物内部の微妙な熟成位置の違いのような意図しないものと、味に深みを持たせるために、樽材や原材料の穀物を変えた意図したものの二種類が存在する。この個体差を持ったウイスキーをブレンドし、より良い味わいを作り上げ、品質を安定させるのがブレンダーと呼ばれる人達の仕事である。このブレンダーと呼ばれる人たちは、過酷ともいえる極めて規則正しい生活を送ることで五感を磨き上げ、さらに相互に確認しあい、ウイスキーの品質を作り上げている。
 ウイスキーの品質を高め、安定させるのは人間の感覚だけではない。多くの蒸留所について、センサを用いた温度等の状態確認が行われ、空気中にエタノールという引火性の高い物質が多く存在する環境でも事故を未然に防いでいる。また、様々な作業の機械化によって効率的に生産が行われている。それによって、製法やアルコール発酵を行う酵母といった伝統が守られ、変わらぬ味を維持し続ける蒸留所も存在する。反対に、AIによるウイスキーのブレンドや、蒸留を行わない試験管ウイスキーの製造、たった数日で数十年分の熟成と同等の熟成効果を得る試み等、革新的なウイスキーも数多く存在する。科学技術の発展もウイスキーの魅力を高める一つの要因なのだ。
 これらの技術がウイスキーの特徴を決める場合も多く存在する。ウイスキーの要素は多岐に渡り、それら全てが味に影響しているため、一つ要素を加えることで大きく味が変わることもあるのだ。その一つの例がノンチルフィルタードである。熟成後のウイスキーには香り成分が多く含まれており、冷却することで沈殿が起こってしまう。通常、ウイスキーは、冷えても美しい琥珀色を維持するため、冷却ろ過を行うのだが、それを行わないのがノンチルフィルタードである。ノンチルフィルタードのウイスキーは、それゆえに樽本来の香り、味わいを楽しめるウイスキーとなるのだ。このように、たった一つの要素を取り入れるか否かで大きく味わいが変化する。
 ウイスキーの魅力はには、こうした人類の試行錯誤と技術の歴史が含まれているのかもしれない。
 
 
今日のウイスキー Jack Daniel’s Old No.7(ジャックダニエル オールドNo.7)

 今日のウイスキーはジャックダニエル オールドNo.7です。このジャックダニエルは、創業者のジャスパー・ニュートン・(ジャック・)ダニエルからきています。50年近く前に蒸留所がアメリカの国家歴史登録財に登録されたり、数年前には150周年記念ボトルも売り出されたり等、歴史のあるウイスキーです。
 ジャックダニエルは、冷たく、鉄分を含まず(鉄分はウイスキーを黒く、苦くする)、ミネラル豊富な湧き水や、創業当時から受け継がれる酵母や材料の比率、サトウカエデの木炭によるろ過、自社生産のホワイトオーク樽等、様々な伝統を受け継いでいます。しかし、伝統技術を重んじるばかりでなく、機械化も進んでいます。材料比率を守るために計量と制御が行われていたり、幾重のセンサの情報がモニタで監視されていたり、樽作りやボトリング、蒸留などの工程でのオートメーション化が図られていたりします。個人的には、伝統と機械化が高水準なバランスで融和した非常に安定したウイスキーであると考えています。
 ウッディなバニラやメープルシロップのような重厚な甘さとフルーティーでさわやかな甘さが混在した香りと、ほんの少しのアメリカンウイスキー特有の香りがします。簡単に言うなら、重厚で甘い香りといったところかと思います。味わいは、香りに忠実に、キャラメルのように濃厚で甘美な味わいです。少しだけ感じられる渋みは新品のオーク樽特有のものでしょうか。複雑で、甘い、けれどアメリカンウイスキーをしっかりと感じる味わいです。メープルのような、甘い木の香りが後味として残り、素敵な余韻を演出します。
 是非一度ご賞味ください。

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