アイリッシュウイスキー

 前回はカナディアンウイスキーの歴史や製法について説明した。カナディアンウイスキーは、フレーバリングウイスキーとベースウイスキー、香味料を混ぜて作られ、軽く繊細な酒質で、最も飲みやすいウイスキーであると紹介した。今回はカナディアンウイスキーが台頭するまでアメリカに多く輸入されていたアイリッシュウイスキーについて紹介する。
 
 アイリッシュウイスキーの歴史はとても古い。その起源には様々な説があるが、少なくとも12世紀にはビールを蒸留した蒸留酒が飲まれていた記録がある。16世紀には最古の公認蒸留所が存在したと言われている。18世紀からアイリッシュウイスキーは高い評価を得ており、20世紀に至るまで世界のウイスキーシェアの6割を誇っていた。しかし、20世紀初頭、主な輸出先であるアメリカの禁酒法が実施され生産規模が縮小してしまう。それに加え、アメリカで密造された粗悪品にアイリッシュのラベルが張られていたことから評価も下がってしまった。それに追い打ちをかけるように、アイルランド内戦の影響を受け蒸留所が閉鎖された。それにとどまらず、戦後のイングランドによる報復としてアイリッシュウイスキーの市場締め出しを受けることとなった。また、第二次世界大戦時に自国のウイスキーを確保するため輸出制限を行ったことから、アメリカでの地位を完全に失うこととなった。
 しかし、戦後、「アイリッシュコーヒー」というカクテルの好評により、需要が高まることとなる。国策によって営業再開や、新たに操業する蒸留所も増え、現在では18の蒸留所が創業、16の蒸留所が創業予定、もしくは計画中である。
 アイリッシュウイスキーには4つ種類が存在する。モルト、グレーン、そしてそれらを混ぜたブレンデッド、そしてアイリッシュウイスキーで特筆される、ポットスチルウイスキーである。ポットスチルウイスキーは原料に、麦芽にした大麦、モルトと未発達な大麦「バーレイ」をそれぞれ30%以上、合計で95%以上使用している。またもう一つの特徴として、ウイスキーにスモーキーさを加える(野草や水生植物が元となっている、炭化の進んでいない石炭)泥炭、ピートを炊かず、石炭や木材が使用されることである。ポッドスチル(単式蒸留器)で複数回蒸留するため、滑らかな味わいになり、ピートを炊かないため穀物の芳醇な香りが引き出されている。
 アイリッシュウイスキーの特徴は酒質が軽く、なめらかで穏やかな味わいである。南国の果実のようなフルーティーさを感じる人も多い。ピートを炊かないだけでなく、材料にバーレイを用いることにより、穀物の芳醇さを強く感じる出来上がりとなる。石臼で粉砕、長時間の糖化を経たバーレイは、アイリッシュ独特のとろりとしたオイリーさを生じさせている。また、三回のポッドスチルによるの蒸留によって、雑味が少なく、軽い口当たりとなるのだ。
 酒質の軽さ、雑味の無さという特徴から初心者にも勧められるウイスキーであることは間違いないが、他のウイスキーに無い特徴的な味わいを持っているため、普段ジャパニーズやスコッチを飲む人にも勧められるウイスキーであると考える。アイリッシュコーヒーを代表するカクテルの素材として有名なアイリッシュウイスキーだが、ストレートやロックでもその特異な味わいを楽しむことが出来るだろう。
  今回はアイリッシュウイスキーについて説明した。アイリッシュウイスキーはとても古い歴史を持ち、伝統的で独自性の高い製法により特異な味わいを持つ深い魅力的なウイスキーなのだ。

今日のウイスキー JAMESON(ジェムソン)

 今日のウイスキーはジェムソンです。ジェムソンというウイスキーを作る蒸留所、ボウストリート蒸留所が創業した時代は、アイリッシュウイスキーの全盛期、正にウイスキーの主役はアイリッシュウイスキーという時代でした。ボウ・ストリート蒸留所はそのアイリッシュウイスキーの生産地でビック4に数えられる素晴らしい蒸留所でした。なんと一時期は生産量世界一位を誇る巨大ウイスキーメーカーだった程です。様々な影響で一度操業を停止してしまいましたが、その技術はミドルトン蒸留所に受け継がれています。元の蒸留所はジェムソン博物館となり、観光スポットになっています。
 様々な苦難を乗り越え、現在まで存続するアイリッシュウイスキー。その存続の理由は、アイリッシュウイスキーの伝統に基づく特異性だけでなく、アイルランドのウイスキーメーカーが結束し、総合力を高めたことにもあると思います。母体が大きくなり資金が潤沢になったことで、ジェムソンの生産量は単一の蒸留所で生産されたウイスキーとして世界三位にランクインしています。
 そのジェムソンについて、まず香りはアイリッシュウイスキーが持つ青りんごや南国の果実のようなさわやかな印象を受けます。ちみつのような甘い香りが最後に残ります。味わいは酸味が少々、柑橘系のピールのような嫌みの無い苦みがメインです。加水すると甘味を感じるようになりました。初心者にお勧めな飲みやすい一杯だと思います。
 是非一度ご賞味ください。

インターンシップへの申し込み・お問い合わせ先

インターンシップへの申し込み・お問い合わせ先
メールでのお問い合わせは、下記フォームに入力して送信してください。
ご氏名 (例)山田 太郎
メールアドレス 半角英数字:ご入力間違いのないようにご注意ください
メールアドレス(確認用) 半角英数字:ご入力間違いのないようにご注意ください
電話番号 (例)0354339211 ※ハイフン抜きで入力してください
題名
お問合わせ内容

アーカイブ

カテゴリー