版画専攻のカリキュラム

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第9回目では「リトグラフ技法について」と題し、多摩美の版画専攻について紹介しました。
第10回目では「版画専攻のカリキュラム」についてご紹介させていただこうと思います。

今回は学年毎に分けて、版画専攻の4年間のカリキュラムをご紹介します。

【1年次】
一年次は、版画制作の基礎的な知識、力を身につけます。

学籍番号準で3グループに分かれ「木版画」「銅版画」「リトグラフ」の3種の技法を全て体験します。一つの技法を体験した跡には『講評会』を毎回行うので、自分の作品を自ら説明したり、作品を評価されたり、人の作品を鑑賞したりすることを何度も体験します。
また、一年次は基礎表現力を高める実習が多く盛り込まれており、デッサンやドローイングなどの授業・実習が週に一度あります。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/dept/pm/cur_policy.htm

【2年次】
「木版画」「銅版画」「リトグラフ」の3種の技法から選択し、技法毎に専門の技術を学び・制作します。一年次の体験では触れられなかった技術や技法を学び、

本人の希望と一年次の作品を見た上で「木版画」「銅版画」「リトグラフ」三つの版種の工房へ所属が分かれます。定期的な講評会に加えて、各版種ごとに専門技術に関する授業や課題が組まれます。課題の中にエディション作成(一つの作品を20枚摺る)があることで、エディションや作品の管理・販売についての知識を学びます。
基礎表現力を高める実習に加えて、写真やデジタルなどのメディア表現を学んだり、立体やコラージュなどの美術表現に触れる授業も選択できます。

また、二年次から芸祭の版画専攻展示に、作品を出すことができるようになります。この際に額装や展示についての知識を学ぶこともできます。

【3年次】

選択した技法の中でさらに専門知識・技術を深めると共に、卒業制作に向けての作家性や方向性を探ります。
一人ひとり作品ファイル(もしくはポートフォリオ)の作成を行います。ファイル作成後に、教授と個人面談を行って、進路を踏まえたうえで作品の方向性を検討していきます。

また、3年時には芸祭で飲食模擬店の「しゃらく」の出展を毎年行っています。
企画や運営を行うのはとても大変ですが、毎年生徒主体で頑張っています。

(私が店長を勤めた年の店舗です。その年毎に店舗の外装を企画・制作しています。)

【4年次】

4年次には今までの制作や進路を踏まえて、卒業制作で版画による表現を追及します。また、画集制作や展覧会の企画・運営を行うことで生産力や計画力を高めます。
特に卒業制作と画集制作(エディション60枚)は、4年間の集大成となるので当然力が入ります。毎年12月から1月ごろに提出になります。

卒業制作や画集の提出が終わると、卒業展の企画・準備が始まります。

・東京五美術大学連合 卒業・修了制作展(国立新美術館)
・版画専攻 卒業・修了展(文房堂ギャラリー)
・多摩美術大学美術学部 卒業制作展・大学院修了制作展(八王子キャンパス)

合計三つの展覧会に参加することになります。
これらの展覧会が終わると、版画専攻の4年間のカリキュラムが修了します。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/dept/pm/cur_policy.htm

【多摩美術大学に、版画専攻に入って思うこと】

私は多摩美に、版画専攻に入って私は「良かった」と思っています。
専門技術や知識を学んだり、経験をつむ事ができたのはもちろんですが、何より「同じように美術を学ぶ仲間と出会えたこと」が何よりも大きかったと思っています。
個人的な話になりますが、私は中高時代は普通科に通っていました。その中で美術を学んだり作品制作を行っていても、真剣に相談できる仲間にはなかなか出会い難いのが現状でした。多摩美の版画学科に入学して、初めて絵のことや美術のことについて真剣に相談できる仲間に出会い、4年間とても幸せな日々を送れたように思います。また、そこで得た仲間は大学を出た後も、人生の仲の掛け替えのない財産になると思います。
美術大学に通うことの利点は、同じ志をもつ仲間に出会えることなのではないかと私は考えています。

10回に分けてご紹介してきた「多摩美のひみつ」記事も今回で終了となります。
多摩美についてのこと、版画専攻についてのことを紹介するのは、私自身とても楽しかったです。
また、これから多摩美や版画専攻に入る方、入りたい方と思っている方にとって、少しでも参考になっていれば幸いです。
最後になりますが、ここまでご視聴・閲覧していただき本当にありがとうございました!

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

「リトグラフ技法」ついて

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第8回目では「銅版画技法について」と題し、銅版画の技法やその種類について紹介しました。
第9回目では「リトグラフ技法」についてご紹介させていただこうと思います。

【リトグラフ……って何?】

リトグラフは端的に言うと『水と油が反発し合う性質を利用して刷る「平版」の印刷技法』です。
平版と言う言葉の通り、リトグラフには版に凹凸がほぼありません。描画時に彫刻刀やニードルで彫ったりする必要はなく、描画の材料によって線的な表現から絵の具のような表現まで、自由で繊細な表現が可能です!

……しかし、リトグラフは版を製版するための工程が多く、さらに科学的な処理や仕組みが多いので、理解・説明するのがなかなか難しい技法です。
(版画学科の生徒でも「仕組みは理解しているけど、他人に説明するのは難しい…」と言う人も少なくありません)
そんなリトグラフについて、図などを交えて説明したいと思います。

【リトグラフの手順と仕組み】

①描画

まず、リトグラフの版の材量ですが、現代ではアルミ板(技法によっては木版)を利用します
。技法が生まれた当初は石版(石灰石など)が利用されていましたが、大きさに制限がある上にとても重いので、近年ではあまり使われていません。
描画材は「油性の画材」を使います。具体的にはリトグラフ用クレヨン、油性インク、油性マジック、溶き墨、焼き付けたトナーなどが利用できます。

実際の描画ですが、アルミ板の表面を目立てしザラつかせた後に、「油性の描画材」で版に直接絵を描いていきます。描いた形や表現がそのまま出るので自由に描くことができますが、このとき『版に素手で触ってはいけません!』
何故かというと、手のちょっとした油分でも「描画した」事になり、後々摺った絵に指紋や手の跡が出てきてしまうからです。なので、描画時は手袋を付けながら作業します。
(うっかりすると、作業中に食べていたお菓子の欠片の跡なんかも出たりします……)

②製版処理

描画し終わったら次は版画として摺れるように『製版処理』を行います。

アルミ板に描画した状態は図1のようになっています。ここにアラビアガム液に有機酸を混ぜた「SK液」を全体にムラなく塗ります。
このSK液が大変重要で、この液は『灯油などの油性の液体をはじくが、水には溶けやすい』という特性を持っています。なので、図2のように「油性の描画部分がSK液をはじき」描画材とSK液の二つに分かれます。

SK液を半日~1日程度乾かしたのち、灯油やプリントクリーナー等の「親油性の溶剤」で洗います。そうすると図3のように油性の液体をはじくSK液は溶けずに残り、油性の描画材だけが溶けて落とされ『アルミ部分がむき出し』になります。
(この図を見ると分かるかと思いますが、実は平版でも微細ながら凹凸を作っています。)

描画材を落とし終わったら、平版用ラッカー(エゲンラッカー)を全体に塗ります。そうすると先ほど落としたアルミ部分に定着し、図5のように『描画部分がラッカーに置き替わり』ます。その上からチンクタール、もしくはシリコンを塗ることで、図6のようにラッカーを補強し親油性を安定させます。ここで版を一度完全に乾燥させます。

チンクタールなどが乾燥しきったら、版全体を水洗いしてSK液を落としきります。こうすることで図7のように『描画部分だけが残ります』
この状態からスポンジなどを使って版を均一に水で濡らしたまま、ローラーで油性の製版用インクを転がします。そうすると、水がある部分はインクが弾かれて、図8のように『描画部分が油性インクに置き換わります』

最後にタルクなどを塗布してから、もう一度SK液を塗り乾燥させることで、図9のように『インクが乗る部分』と『インクをはじく面』を作ります。
これでようやく製版処理が終わり、版として摺れるようになります。

③摺り
ここまで来てようやく摺りに入ります。

まず最初に製版済みの版の「油性の溶液で製版用インクを落とし」ます。こうすると図10のように『平版ラッカーとSK液が分かれた状態』になります。
製版用インクを落としたら、今度は水洗いでSK液を落とします。こうすると図11のように版の上が『平版ラッカーのみ』になります。

平版ラッカーのみの版に、スポンジで版全体を水で濡らし、その上から「プリントインク」をのせます。こうすると図12のように『プリントインクが描画面だけに乗る』ようになります。
この状態で図13のように版に紙や当て布をして、プレス機で圧をかけるとリトグラフ技法の完成です。

今回はリトグラフ技法ついてお話してみましたが、いかがでしたでしょうか?
リトグラフは工程も多く、その仕組みを理解するのは大変難しい技法です。
しかし、実際に制作を行う上では手順さえ間違えなければ必要な技術は少なく、作者の表現力を存分に生かすことのできる技法だと思います。

次回は版画学科で行われる授業や、展示などの年間行事についてお話したいと思っています。
また最終回と言うことで「美大に通うこと」についても少しお話できればなと思っています。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

(今回のはみ出し小話はお休みさせていただきます…)

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

「銅版画技法」について

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第7回目では「について」と題し、木版画技法の歴史や技術について紹介しました。
第8回目では「銅版画技法」ついてご紹介させていただこうと思います。

【そもそも銅版画って?】

銅版画を実際に作ったことがある人は少ないのではないでしょうか?
そもそも銅版画についてあまり知らないと言う人も多いでしょう。

銅版画は銅版や亜鉛版などの金属板を材料とし、版面に凹部を作り、その部分にインクを詰めプレス機などで強い圧力をかけて摺り取る技法です。
版の摩滅が起こりにくく絵の刷り味が比較的一定な為、複数の作品を作ったり紙幣や出版物などを大量に印刷したりするのに向いています。

引用元:http://www.npb.go.jp/ja/intro/tokutyou/index.html
お札の数字部分や右下の図形を触ると凹凸があるのがわかるでしょうか?現代でも銅版画の技術は偽造防止に利用されています。

銅版画技法は「エングレービング」「メゾチント」「ドライポイント」「エッチング」の4種の技法は、主流になります。また凹部の作り方で「直接技法」と「関節技法」の大きく二つに分けられます。

直接技法は版面に直接道具で線を彫ったり、引っかいたりして凹部の溝を作る技法で、「エングレービング」「メゾチント」「ドライポイント」がこれに当たります。
間接技法は酸などの腐食液で版面を腐食させて溝を作る技法です。様々な腐食方法や描画方法がありますが、腐食を利用する技法を総称して「エッチング」と呼ぶことが多いです。

【銅版画の4種の技法について】

「エングレービング」

初期の銅版画は、1430年代にライン川流域のドイツの金工職人たちが作った装飾の記録をとる為に、凹版を開発したのが始まりとされています。1400年代後半から1500年代前半にかけて、多くの画家たちが版画を制作し、その中でもアルブレヒト・デューラーはエングレービング技法を完成の域まで極め、いくつもの秀作を残しています。

エングレービングでは「ビュラン」と言う道具を使って、銅版に直接溝を彫ります。また、開発された当時は凹版を摺るための強い圧力を得るために、ブドウの絞り機を利用していました。これが後々に版画用のプレス機に発展しています。

「ドライポイント」
ドライポイントは硬度の高いニードルなどで版に直接描画して、作品を仕上げます。版面に直接凹部分を作るのはエングレービングと変わりませんが、大きな違いは銅版の削り屑で「まくれ」ができることです。
このまくれはささくれ立ったり隙間ができたりするので、摺る際に線が滲んだような表情になります。

「メゾチント」

メゾチントは深い黒色と明暗の細かな調子が特徴的な技法です。
ベルソー(英:ロッカー)という櫛状の道具を左右に揺らし「目立て」という刻面に細かな溝を付け作業を行った後、目立てた溝を潰したり削ったりすることで調子を作る直接技法になります。
1624年にオランダのルートヴィッヒ・フォン・ジーゲンがこの技法を発明し、油彩画の複製や書物の挿絵などに使用されてきましたが、リトグラフが開発されたことや写真の普及で一度衰退しました。しかし、1919年に長谷川潔がメゾチントを利用した作品を発表したことから、20世紀以降の現代版画表現で一つの形を築きました。

「エッチング」

16世紀の初頭に酸による腐食で凹部を作る「エッチング技法」が開発されました。
当時、エングレービングが既に印刷技術として完成されつつありましたが、ビュランの使い方が難しく、熟練した金工師の腕がなければ制作できないものでした。
その点、エッチングは版面を腐食防止の処理をした面に針などで描画し、硝酸(現代では塩化第二鉄)に浸して腐食させて凹部を作ります。エングレービングと比べると描画の自由さと即興性が保たれ、修正もある程度可能。また、腐食時間をかける事で凹刻を深くして線を太くする事が可能など、利点が多かったのです。また、松脂の粉末を防食材として利用することで、グレーの面を作る「アクアチント」と呼ばれる技術ができたことで、表現性の幅が広がったのも後押ししていました。
初期のエッチングは、挿絵の複製などに使用されることが多かったのですが、17世紀にレンブラントなどを初めとする著名な画家たちが、創作での絵画作品を発表しました。これをきっかけに、18世紀以降も多数の作家たちがエッチングで制作を行う用になりました。

紹介した「エングレービング」「ドライポイント」「メゾチント」「エッチング」の4種の技法は、実際には一つの作品に1~2種の技法が併用されていることが多いです。
また、近年では金属板ではなくポリ塩化ビニル板を利用した版画なども増え、現在でも技法の研究が続いています。

今回は銅版画技法ついてお話してみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回からは木版画、銅版画、リトグラフの3版種のうち「リトグラフ技法」についてご紹介しようと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

〇はみ出し小話〇
版画作品は画像のような形で販売されています。

まず支持体である紙は、描画部分より大きく余白が取られており「マージン」と呼ばれています。この余白は下部にある文字部分を書くのはもちろんですが、保管しているうちに作品が波打ったりした場合に、修復をしやすくするためでもあります。

次に描画面の下を見ると文字がいくつか書いてあります。

左下には分数、もしくはアルファベットでA.P、E.P等と記入されています。これが第6回目でもご紹介した「エディション」になります。
ここに分数が記入されている場合は「この作品は〇枚あるうちの№〇です」という表記になります。「数が若いほど最初に摺られた作品である」と誤解されがちですが、実際は作者が管理するために割り振っているだけなので、必ずしも摺られた順番に番号が振られているわけではありません。
アルファベットが記入されている場合は、文字毎に様々な意味を持っています。
展示されている作品で多いのは「A.P」や「E.P」です。これらは『Artist’s Proof』と呼ばれ、作者保有用の作品で基本的には販売しません。(展示で利用したり、作品集をまとめる用の作品です)ただし、番号分の物が完売してしまったときだけ、ごく一部が販売されることがまれにあります。
他にも『T.P(Trial Proof)試刷り用』や『P.P(Present Proof)寄贈用』などがあり、作者独自のものもあります。

中央には『タイトル』があります。ここは必ずしも必要と言うわけではないので、極まれにここが空白の作家も居ます。それでも、最低限「無題」とついていることが多いです。

右下には必ず『サイン』が入れられます。サインは英語表記のことが多いですが、国内の作家ではひらがなや漢字でサインを入れている人も居ます。

もし版画作品を購入することがあれば、まず『エディション』『タイトル』『サイン』をチェックしてみましょう。特に購入したい作品のエディションが「A.P」「E.P」などのときは、この他に何枚摺られているのかキチンと確認しておくのが重要です。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

「木版画技法」ついて

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第6回目では「多摩美の版画専攻について」と題し、多摩美の版画専攻について紹介しました。
第7回目では「木版画技法」ついてご紹介させていただこうと思います。

【木版画の歴史】
まず、木版画についての簡単な歴史をご紹介します。

木版画は数ある版画技法の中でもっとも古い歴史を持ち、製作年がわかるものでは868年に中国で制作されたものが確認されています。しかし、この作品がすでに精緻なものであることから、実際はそれ以前の7世紀ごろから木版画の制作は始まっていたのではないかとされています。これらはシルクロードをたどって東西へと伝わって行きました。

ヨーロッパでは1300年代後半からキリスト教の教義を広めたり、護符に利用したりすることを目的とした「プロタの版木」と呼ばれる木版画が作られるようになりました。また、1445年に活版印刷の技術が生まれると、聖書等の挿絵として発展しました。
しかし、印刷の質が一定で版が堅牢な銅版画の技術が生まれると、ヨーロッパでの木版画は停滞していきました。

引用元:http://www.joshibi.net/hanga/history/1300_1400.html

一方日本では、木版画は独自の進化を遂げます。日本では飛鳥時代に仏教や製紙技術と共に木版画は伝来したとされています。平安時代に法華経などの経典を作成などに多く利用されていました。しかし、江戸時代の慶長期に物語の挿絵として木版画が利用され始めると、浮世絵などの普及に伴って多色刷りの木版画が増え、見当やぼかし表現などの技術が発展しました。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5

【木版画の特徴】

木版画は、版材に木材を使用し、彫刻刀などで版面に作り出した凸部にインクをのせて、バレンやプレス機などで圧力をかけることで、インクを版から紙に転写する版画のことをいいます。版の加工が容易であるため、大胆で自由度の高い構成をしやすいのが特徴です。
近年では技法の研究が進み、彫った部分にインクを詰めて摺りとる凹版技法も開発されました。

引用:http://www.robundo.com/robundo/ichirin/?p=1101
また、木版画は板の木目の方向で「板目木版」と「小口木版」に分けることができます。
板目木版は、立木の状態で縦方向に切った木材を版とします。それに対して木口木版は、横方向に輪切りに切り出した木材を使用します。

・板目木版

多摩美術大学名誉教授 「吹田文明」作
『宇宙華』
引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/staff/s_fukita.html

多摩美術大学教授 「古谷博子」作
『風ー韻 No.2』
引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/staff/s_furuyahiroko.html

一般的な美術の授業で行う木版画や、浮世絵などは「板目版画」です。
水性絵の具を用いれば木目を生かした淡く柔らかな表現、油性インクを使えば大胆でハッキリとした表現で摺る事が出来ます。また、加工が容易であるため、多版多色摺りで複雑に色鮮やかな作品を作ることができます。
使用する版木はシナベニヤなどの合板、桜、朴などの無垢板が使われます。
(学生の場合は水性・油性両方に対応しやすいジナベニヤ、浮世絵などの作品では繊維の密度が高い桜の板が好まれています。)

・小口木版

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/staff/s_kobayashi.html
多摩美術大学名誉教授「小林敬生」作
『饒舌な風景–終章そして序章・B–2000』

・小口木版
木口木版は18世紀にイギリスで始められた技法で、主に本の挿絵で利用されていました。
基本的には油性インクを用いて、プレス機で印刷します。また、雁皮(ガンピ)という極薄い特殊な和紙を使って摺られる事が多いです。
小口切りした板は繊維が詰まっていてとても硬いため、「ビュラン」という道具を使って彫らなければまともに彫ることができません。その代わり細かく彫ることで、繊細な表現が可能です。
版木はツゲ、桜、梨、楓などが用いられます。小口で切った形そのままの版材もあれば、四角く整形したものもあります。

今回は木版画技法ついてお話してみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回からは木版画、銅版画、リトグラフの3版種のうち「銅版画技法」についてご紹介しようと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

〇はみ出し小話〇
版画の中でも木版画は特殊な道具が沢山あります。
彫刻刀や馬簾(バレン)、各種刷毛など様々な道具は個人の手癖によってこだわりが出てくるため、「マイ〇〇」として個人で買う人も多いです。
多摩美の版画専攻では、2年次の前期に木版コースの選択者全員で、都内の版画用具屋に買い付けに行くそうです。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

多摩美の版画専攻について

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第5回目では「多摩美のサークルや同好会」と題し、多摩美の個性的なサークルや同好会を紹介しました。
今回から多摩美の紹介から、私の所属する版画専攻についての紹介に移りたいと思います。
第6回目では「多摩美の版画専攻について」まずは版画専攻の概要についてご紹介させていただこうと思います。

【そもそも版画ってどんな技法?】

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/dept/pm/cur_policy.htm
皆さんは「版画」をしたことがありますか?
日本だと美術の授業でやったことがある方も多いのではないでしょうか?
写楽や北斎の浮世絵と言われれば知っている方も多いでしょう。ピカソやミュシャなども版画を利用した作品をした作品があります。
また身近なところでは判子や手形、スタンプなど様々な場所で版画の技法を見ることができると思います。

ですが、改めて版画のことを説明しろと言われると、少し難しいのではないでしょうか?
美術の世界での版画は、主に「木、銅、アルミなどの『版』を介在させて、多様な表現を行う絵画芸術」のことを差しています。

版画は技法の仕組みで、大きく分けて4つの種類に分けることができます。
木版画や判子などに代表される「凸版」
主に銅版画が代表される「凹版」
リトグラフやオフセット印刷に代表される「平版」
シルクスクリーンやステンシルに代表される「孔版」
の四つになります。

また、版画は1つの絵が複数制作可能な点も大きな特徴であり、作品には「エディション番号」や「サイン」を入れるのが通例です。

【多摩美の版画専攻】

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/hanga/facilities/

多摩版画専攻は八王子キャンパスの正門から入り、そのまま直進した先にある「絵画北棟の一階フロア」に版画専攻の研究室と工房があります。各版種の工房と広い演習室、銅版画の腐食室などの施設を備えています。
何より、多摩美の版画専攻は「日本で一番大きな版画工房・スタジオ」を持っています。
それは広さだけの話ではなく、プレス機の数や各種機械・工具の設置数、作業場など総合的な設備の良さも含まれています。また、木版・銅版・リトグラフ・シルクスクリーンと各技法の工房が近く、簡単に行き来できるのも特徴の一つです。

多摩美術大学では、版画技法の中でも特に作家が多く優れた表現性を持った「木版」「銅板」「リトグラフ」を中心に、「シルクスクリーン」や「コラグラフ」などの技法を学ぶ事ができます。

大まかなカリキュラムですが、
1年次に銅版画・木版画・リトグラフ・シルクスクリーン技法を体験・学習し、版画制作の基礎的な知識、力を身につけます。
2年次からは「木版画」「銅版画」「リトグラフ」の3種の技法から選択し、技法毎に専門の技術を学び・制作します。(シルクスクリーンは申請することで制作できます)
3年次には選択した技法の中でさらに専門知識・技術を深めると共に、卒業制作に向けての作家性や方向性を探ります。
4年次には今までの制作や進路を踏まえて、卒業制作で版画による表現を追及します。また、画集制作を行うことで生産力や計画力を高めます。

他にも絵画表現や素材、技術への知識を深めるために、デッサンやドローイングなどの基礎学習、コラージュやオブジェ制作などの演習、写真やコンピューターなどのメディア演習なども行っています。

【教職員や生徒について】
版画専攻の教職員は、木版、銅版、リトグラフの3つの版種に教授が1名、助手・副手が2名ずつ。それに加えて准教授1名、非常勤講師8名、客員教授4名の計22名の教職員の方がいらっしゃいます。

生徒数は年度にもよりますが、1学年あたり40人程度になります。1年次は同じ工房を利用するので、過ごすうちに中高校のクラスのような印象になります。
200人近くが所属する油絵専攻やグラフィック学科に比べると人数が少なく感じますが、工房の利用などを考えると、これが丁度いい人数だと感じます。
近年では外国人入試枠や自己推薦入試枠の生徒が増え、国際的で個性的な面々が揃っているなと感じます。

今回は版画専攻の概要についてお話してみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回からは木版画、銅版画、リトグラフの3版種のうち「木版画技法」についてご紹介しようと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

〇はみ出し小話〇

上記でもお話した「エディション」は版画とは切っても切れないものです。

【エディション(Edition, ED.)】という言葉はもともと「版」のことを差していたのですが、現在では【限定部数】のことを差しているのが一般的です。

版画ではキャンバスなどの支持体に、1つずつ描くわけではないので「同じ絵が何点も存在する」技法です。作ろうと思えば100枚でも1000枚でも、同じ作品を印刷できてしまいます。しかも、同じ版を同じ印刷方法で「他人が刷っても」作品になってしまいます。
こうなると版画作品1枚の信用が薄くなり、価値がどんどん下がってしまいます。

そのため版画では、作家が印刷する数の上限を決めて、作品にナンバーを割り当て、サインを書く事で「私が版から摺りまで行ったこの作品は、〇〇枚しかありませんよ」と付加価値を付けているのです。
ただし、海外の版画では少し様子が違っていて、作者が監修していれば本人が摺っていなくても作品として販売していることも多いです。(摺り師を生業としている人もいます)

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

多摩美のサークルや同好会

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第4回目では多摩美の学園祭や展示のこと、さらに個展やコンクールへの出品等の事を紹介しました。
第5回目では「多摩美のサークルや同好会」と題して、他大学では中々見かけない、個性的な内容の多摩美のサークルや同好会をご紹介させていただこうと思います

まず、多摩美でのサークル・同好会について紹介します。
多摩美のサークルや同好会は、公認されているものだと文化系のものが25団体、体育系のものが13団体の計38団体あります。非公認のものを含めると、同好会が無数に存在しているため正確な数はわかりません。

毎年4月の頭に「新入生向けクラブ・サークル紹介」という大学公認の紹介イベントがあり、ここで大学の公認サークル、年によっては一部非公式同好会も参加して、サークルの部員がサークルを紹介し新入生への勧誘を行います。サークルによっては派手で個性的なパフォーマンスを用意しているので、新入生は驚かされることでしょう。

私が入学した年には、音楽系サークルがライブパフォーマンスを行ったり、映像系サークルが凝った紹介映像を流したり、ダンス系サークルが実演したり、イベントのあったホールの中にバイクが入ってきたり(安全性は確保されていました!) ふんどし姿の男性達が騎馬を作ったまま入場してきたりと、いろいろな意味で大変驚いたことを覚えています。

この紹介イベントが終わった後も4月の終わりくらいまでは、サークルごとに部活見学会や体験入部の機会があります。これらは部員が配るチラシや、構内の張り紙で知ることができます。また、サークルや同好会によっては、ツイッターのアカウントを持っているので気になる人は検索してみてください。

では、多摩美生のどれくらいの人がサークル・同好会に加入しているかですが、公式HPによると多摩美生サークル所属率は全生徒の約30%ほどなので、実は多摩美ではサークルに入っていない人の方が多いです。

これは
「制作や課題、バイトなどで忙しい学生が多い事」
「遠方から来ているため、夕方まで学校に残り難い生徒が多い事」
「工房や教室、喫煙所などの共用施設が多く、先輩後輩の関係が築きやすい事」
等が影響しているからかと思います。

しかし、裏を返せば適当になんとなくでサークルに入っている人が少なく『本気の人が集まっているサークル』が多い印象があります。
そして、そうではない一部のゆる~いサークルや同好会はとことん緩いことが多いので、そういった雰囲気の気楽さが良いサークルもあります。

さて、長くなりましたが、ここからは実際にサークルを紹介させていただきます。
ですが、公式サークルだけで38団体もありますので、今回は(かなり)個人的に応援したいサークルさんを5つご紹介させていただこうと思います
(今回紹介させていただくのは公式サークルです。また、紹介していないサークルさんでも精力的に活動し、エンジョイしているサークルさんが沢山あります!)

【音系サークル】
・テクノ研究会

引用元:https://twitter.com/tautechken/media
クラブカルチャーの制作や研究を目的としたサークル!
多摩美の内外でライブ活動を行っています。音楽だけでなく映像やパフォーマンスも自分達で制作・実行しており、そのクオリティは非常に高いです!何よりかっこいいです!

・多摩美和太鼓研究会

引用元:https://twitter.com/yarimizudaiko
和太鼓による演奏・パフォーマンスを研究しているサークルです!
学内外のイベントでの演奏や、夏祭りや神社での演奏なども行っています。
女性の多い団体ですが、その演奏は力強く迫力満載です!!

【制作系サークル】
・版画部

引用元:https://twitter.com/tau_hangabu
主にシルクスクリーンやステンシルなどを使って、様々な作品やグッズを制作しているサークルです!
デザフェスギャラリーや芸祭で、Tシャツやトートバッグ、ポストカードなどを販売したり、サークルで個展を出展したりしています!可愛くておしゃれな作品が多いです。

・デジタル研究部

引用元:https://twitter.com/taudigiken2
ゲームやイラスト好きの学生が集まって、様々な活動をしているサークルです!
普段はゲームをしたり、デジタルイラストを描いているのですが、部員でイラストの講習会を行ったり、企業のプロの方を講師に招いてライブペインティング会を開催したりしています!!

他にも部員以外の生徒も参加できるゲーム大会を企画したり、コミックマーケットで部員の画集を販売したりと、意欲的でとても楽しそうなサークルです!

【個性派(?)なサークル】
・虫部(TUBE)

引用元:https://twitter.com/tube_tamabi/media
名前の通り「虫」の研究会です!虫の採集や飼育、標本作成、虫にまつわる作品制作を行っています。また、多摩美の構内や高尾山で昆虫採取会を行ったり、サークルでの個展を行ったりしています。一般生徒に制作用に標本の貸し出し等を行ってもくれるそうです。

今回は「多摩美のサークルや同好会」ということで、多摩美のサークルについての概要や、サークルを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

次回からは多摩美の紹介から、私の所属する版画専攻のことについての紹介に移りたいと思います。
最初に版画専攻の概要について紹介し、その後に各版種のことについてや、展示や年間行事などについてご紹介させていただこうと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

〇はみ出し小話〇

多摩美の中には「クラブ棟」と呼ばれる建物があり、ここに30前後ほどのサークル・同好会の部室があるのですが……ここほど多摩美のカオス差を凝縮した場所は無いと思います。

ロの字型の建物に一歩入ると、立て看板や張り紙、作品らしきもの、詳細のわからない残骸などの情報量に圧倒されます。中庭には机と椅子のセットや、ベンチ、飛び散った絵の具、放置されたビニールシート、散らばるゴミ等、ここに秩序を見出すことはそうそうできません。芸祭前は特に物があふれてカオス差が増して、さながら「九龍城砦」のような雰囲気になります。
各団体の部室は……団体にもよりますが、綺麗にしている団体とそうでもない団体があるとだけ言っておきます。

しかし、ベンチで談笑する生徒や、制作をしている生徒、モニターを囲んでゲーム大会をしている様子、何故か上半身裸で駆け回る男子生徒、中庭で行われるゲリラライブの様子等、ここに集う人たちを眺めていると、実に「楽しそう」だと感じます。

この「楽しさ」を求める人が、今日もグランド横のクラブ棟に足を運んでいます。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

多摩美生の発表の場

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第3回目では多摩美生のご飯事情として食費や食事に関わる施設などをご紹介しました。
第4回目では「多摩美生の発表の場」と題して、学園祭や展示のこと、さらに個展やコンクールへの出品等の事をご紹介します。

★学内で行えるもの
【芸祭展示】

引用元:https://twitter.com/tamabi_kikaku

多摩美の学園祭である「芸祭」での展示は学内のスペースを借りての展示や、サークルでの団体展示、専攻での展示などがあります。また、フリーマーケットで小作品の販売を行う人もいます。
抽選や小額の出展料はありますが、学外から多くの方に作品を見てもらうことができます。なので、芸祭に向けて作品制作を進める人も多いです。

【専攻展示】

著者撮影

学科や専攻毎に、制作した作品を学内に展示する機会が設けられている事が多いです。また、専攻によっては特殊な方法での展示を行う事もあります。
回数や時期は、専攻や学年によって様々ですが、芸祭時に専攻の成果発表の展示を行うところが多いので、誰しもが必ず一度は展示を体験する事になります。
これらは専攻の助手さんが手伝いや指示をしてくれる事が多いので、展示に慣れていない人にはここで知識や経験を得るのも手です。

★学外で行うもの

【ギャラリーなどでの個展】

著者撮影

ギャラリーや店舗のスペースを借りて展示します。一つのスペースを借りるには数万円はかかり、銀座の有名なギャラリーになると1壁8万(これでも学割が効いていたり)もする事もあります。なので、学生の間ではスペースを数人で借りて団体で個展を行う人が多いです。
多摩美生は中央線沿線のギャラリー、原宿周辺のギャラリー、多摩美周辺地域のギャラリーなどで個展を行っている事が多いです。

【公募展・コンクールへの出品】
ファイン系デザイン系問わず、年間を通して様々な公募展やコンクールが行われています。
基本的には大学内に貼ってあるポスターで知る事が多いですが、学生課にはチラシや応募用紙がまとめられた専用のコーナーが設けられているので、ここを定期的にチェックしています。
人によって応募する数はまちまちで、3ヶ月や半年に1回応募する人もいれば、まったく応募しない人も居ます。
お金も時間も掛かるので、生活のとの兼ね合い次第です。

【デザインフェスタへの参加】
雑貨やアクセサリー、小作品などの多い人は デザインフェスタ へ参加している方が多いです。
最近は連携している企業さんや業界の人が見にくる事が多く、お仕事に繋がりやすいのも利点です。

★個展や展示をする理由

今はネットが発達しているので、ツイッターやインスタグラム、イラスト投稿サイトや動画投稿サイトなどで、作品を簡単にいろんな人に見てもらえるようになっています。
では、実際に作品を展示する事の良さは何でしょう?
これに関しては大きく二つの良さがあると思います。

一つは「実物を見てもらえる事」です。
作品の形態によってはネットで掲載するのが難しい作品や、実物を見てもらいたい作品があります。
油絵や日本画は大きな作品が多く、PCの画面だけではその迫力を表現しきれません。彫刻作品は大きい上に、全面を写真に収めるて掲示することは難しいです。インスタレーションアートやライブペインティングなど、場を借りて行うことを重要視している作品もあるでしょう。
これらの作品を人にみてもらうために、個展や展示は大変有用だと言えます。

もう一つは「人に会えるところ」です。
個展や発表の場は作家を目指す人にとっては、個展や展示を行う事でファンの方にお会いしたり、お仕事の話をいただけたり、作品そのものを買っていただく機会になります。
何より実際に個展を開いてみると、フライヤーや他の展示から来ていただけた方、画廊のファンの方など「新規のお客さま」に自分の作品を見ていただける機会が多い事に気がつきます。

実物を見てもらって、人に会って、次に繋げていく事が「作家としての道」の1つなのではないかと思います。

今回は「美大生の発表の場」ということで学園祭や展示等をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は「多摩美のサークルや同好会」と題して、個性的な内容の多い、多摩美のサークルや同好会をご紹介させていただこうと思います。
ご覧いただきありがとうございました。

○はみ出し小話○
学内の芸祭の個人展示と専攻の個人展示は被る事が多々あります。仮に学生団体の展示がなくてもサークルなどの模擬店もあるので、高確率で何かしらと被ります。こうなってくると「作品数が足らない!」と半泣きになりながらギリギリまで作品を作る人もしばしば……
双方のシフトを行ったり来たりする事も多いので、芸祭期間はどの学生にとっても何かと忙しい数日間になるでしょう。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

多摩美生のご飯事情

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第ニ回目では多摩美の中で制作に役立つ四つの施設をご紹介しました。
第三回目では「多摩美生のご飯事情」と題して、多摩美生の食費やその食生活についてお話した後、多摩美内外で食事を取れる施設についてご紹介します。

まず多摩美生の生活事情から、少し見てただこうと思います。

引用元:http://www.ielove-campus.com/college/

画像の表を参照すると
1人暮らしの人の食費の平均は「23,548円」で一日辺りの食費は「784円」
実家暮らしの人の食費平均は「13,041円」で一日辺りの昼食・軽食費は「434円」
となります。
毎日外食を取るのはちょつとキツイ金額ですね。学校に来ない日などもあるので、毎日この金額がかかるわけではありませんし、毎日自炊をしてお弁当を作っている人も一定数います。
ですが、制作が重なったりバイトが続く日には無理をせず多摩美付近で食事を取ることが多いようです。

さて、そうすると気になってくるのは学食や、付近で食べられるお店です。
ここからは学校内の2つの食堂とパン屋さん、学外の二つのお店、その他購買などについてご紹介します。

★多摩美内の学食、お店

【イイオ食堂】09:00~16:00(土曜日は15時まで)

油絵や日本画専攻のある絵画東棟の中の「イイオ食堂」は、八王子キャンパスができた早期からある歴史のある食堂です。
私の特にオススメはカレーです!ジャガイモ大目で甘めのカレーは、雑誌に特集されたこともあるくらい美味しいです!
他にも主食・主菜・副菜・汁物の揃ったバランスのいい定食のセットや、スープや味のバラエティーに富んだ麺類に加えて、ネギトロ丼や日によってはオムライスや海鮮丼といった変わり種まであり、様々なメニューが揃っています!
普段の定食やカレーは300円~450円程度。ネギトロ丼や特別メニューは500円のことが多いです。
定食はおかずだけ頼めたり、麺類は半玉や大盛りに変更する事もできます!

筆者撮影

また、イイオ食堂の購買では「イイオサンド」というサンドイッチが購入できます!
昔からあるメニューで、中身はハムカツやかぼちゃコロッケ等が2、3種日替わりで並びます。
他にもお菓子やアイス、焼きそばやチキンナゲットなども購買で購入できます。

【グリーンホール】09:00~17:00

テキスタイル棟や彫刻棟近くの「グリーンホール」の中にも学食があります。
こちらはイイオと比べるとメニューは少なめですが、日替わりの定食やカレー、ラーメン、うどん・そばなどの基本的なメニューは押さえてあり、日替わりのどんぶりやスパゲッティなどこちらにしかないものも多いです。
あと、気持ち量が多めなのでガッツリ食べられます。

引用元:https://twitter.com/tougakumenu
個人的なオススメは日替わりの中にある豚照り丼。しっかりと味のついたお肉とたまねぎを、マヨネーズと半熟たまごがまろやかに包んでくれます。

また、グリーンホールの購買はお菓子やお弁当の種類が豊富です!
カップラーメンや菓子パンなども売っているので、長期的に作業場に篭りたい人はここで買ってストックしています。
他にも不定期に新製品の試食会やお菓子のセールをやっていたり、歯ブラシやティッシュなどの日用品を揃え、宅配便の受付もしてくれるので何かと利用する機会の多い場所です。

【ブランジェリートウガク(パン屋さん)】9:00~18:00(土曜のみ14時まで)

デザイン科や図書館近くのパン屋さん「ブランジェリートウガク」は、木の葉型の建物が特徴的!
日当たりのいいカフェスペースもあり、セットによってはドリンクバーを使えたりと昼食以外でも利用したくなるお店です。
パンは日替わりで1つ100~200円程度、カフェプレートのセットでも450円程度とリーズナブルで焼きたてのパンが食べられます!(ただし、席が少なめなので、お昼時の席は争奪戦です)
また、夕方にタイムセールを行ってくれるのが嬉しいところ!5時限目が終わった後に駆け込んで、バスの待ち時間によく食べています。

引用元:https://twitter.com/tougakupan
個人的なイチオシの「紅茶チョコクロワッサン」サクッとしたクロワッサンをかじると、紅茶の良い香りとチョコの甘さが広がります。

★多摩美の外のお店

【インド料理屋ラニー】
正門側から程近く、国道沿いにあるインド料理屋さんです。
5段階の辛さを選べる本格的なインドカレーや、炭火石釜で焼いたお料理が絶品です!
また、ナンやサイドメニュー、ドリンクも豊富で美味しく、お得なランチメニューもあります!
友人達と複数人で集まって食べに行き、料理をシェアし合うと楽しいです!!

引用元:http://www.rani.jp/hachioji/

【Mr.MAX内のフードコート】
東門から出て右手に曲がって5分ほど歩くと、ディスカウントストアーのMr.MAXがあります。
この中にあるフードコートでも食事を取ることができます。
ラーメン屋、ハンバーガーショップ、ちゃんぽん屋、チキンナゲットショップなどが入っています。また、スーパーマーケットやパン屋さんも入っています。
薬局や100円均一なども入っているので、買い物ついでにお昼を食べに行くこともあります。

【お菓子自動販売機】
軽食については、購買で買う他にお菓子の自販機がある場所も!
写真は絵画北棟1階の自販機コーナーです。

作業の合間に一休みしたい時。
講評会前で学食に行く時間は無い……だけどお腹は減っている時。
夢中で作業をしていたら、学食の閉まる18時を過ぎてしまった時。
そんな時に、ビスケットやおせんべい、カロリーメイトやワッフルなどをここに買いにきています。
ドリップ式のコーヒー自販機なども置いてあるので、制作作業の支えになっています!

今回は「多摩美生のご飯事情」ということで多摩美の生徒の食費や、学食などの施設等をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は「美大生の発表の場」と題して、学園祭や展示のこと、さらに個展やコンクールへの出品等の事をお話できればと思います。
ご覧いただきありがとうございました。

○はみ出し小話○

多摩美の中には沢山の林や植込みがあり緑が多いのですが、その中には木の実や食べられる植物がいくつも植わっています!
これらはかつての先生や職員の方が植えたものから、自然発生したものまで様々です。
ザクロ、ビワ、柚子、梅、ヤマモモなどの果物や、クルミや栗、タケノコなど様々な物が収穫できます。
ザクロやビワはもぎ取ってそのまま食べられるので、どんな学生からも大人気です。ザクロは9月から10月、ビワは6月ごろに実がなります。
また自生しているものも多く、ムカゴやクワの木、蛇苺など、林の中を探してみるといろいろな物が見つかります。
ツワモノになると、ヨモギやセリなどの野草を天ぷらにしたり、ドングリなどを灰汁抜きして食べている方も居るようですが、これは流石に少数派……ですがちょっと食べてみたいですね。

ただし、いずれにしても食用として手が加えられたものは少ないので、食べるときはよくよく調べてから「自己責任」です!!

筆者撮影

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

制作に役立つ施設

こんにちは、インターン生の渡邉です。
第一回目では多摩美術大学の簡単な概要について紹介しました。
第二回目では八王子キャンパス内の施設の中でも、特に「制作に役立つ施設」を4箇所、個人的な体験も交えてながら紹介していきます。

【多摩美術大学図書館】
特徴的な大窓!様々な資料が揃う大学図書館

大学から入ってすぐの大きな丸窓の建物が、多摩美術大学の図書館です。
この特徴的な建物は、国際的な建築家であり多摩美の客員教授でもある伊東豊雄氏の設計で、この建物を見るために国内外から見学に来る方もいらっしゃいます。
広い館内は二階建てで、1階に雑誌やメディア資料、2階に書庫があります。
2階にはコンセントのついた自習スペース、文献検索用のPCやレポート用の貸し出しPC、館内トイレやコピー機なども完備されています。
約20万冊が蔵書されており、美術、デザイン、建築などの分野を中心に、授業で必要となる文献や最新の技術書、海外の画集や絵本なども揃っています。

また、映像作品や音楽作品などのメディアも充実しており、視聴コーナーも完備されています。
授業の合間にここに来ている人も多く、学内でも人気なスポットの一つです。

私が個人的にオススメしたいのは「雑誌コーナー」です!
雑誌コーナーは図書館に入ってすぐ左側にある、ガラス張りのケースの並びです。
ここにはデザイン関係の雑誌やアニメ関係の雑誌、美術専門誌や海外の雑誌などが定期購入され、ガラスケースの中に「平起き」で展示されています。
デザイン雑誌や美術専門誌は、入荷数が少なかったりそもそも書店で取り扱っていないこともあります。また、気になる作家さんや記事はあるけど、値段もそこそこ張る雑誌を数ページだけの為に買うのは……とためらうことも。そんなとき、気軽に利用できる雑誌コーナーはとてもありがたいです!
また、ガラス張りのケースの中の本を一つ一つ眺めていると、意外な雑誌が目にとまり、そこから制作のヒントを得る…なんてこともあります。

【メディアセンター】
メディア関係の製作や相談ならココ!充実した設備が揃っています。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/mc/

正門から少し上がったところにある「メディアセンター」は、撮影スタジオやPCスタジオ等、複数のスタジオが複合した施設です。
学科を問わずに使用する事ができ、講習を受ければなかなか個人では用意できない技術や設備を利用して作品制作を行うことができます。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/mc/mc4/sisetu.htm
私が(特にファイン系の方!)オススメしたいのが、「写真スタジオ」です!
ファイン系の学生がポートフォリオ等を作る際、どうしてもぶつかる壁が作品のデータ化です。
写真スタジオでは複写台や立体作品用の撮影台やスタジオがあり、スキャン機に入らないような作品でも平面・立体問わず高画質にデータ化できます。

【アートテーク】
迫力の大石膏像をデッサン!他にも特徴的な展示やアトリエのある総合施設。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/art-theque/about.htm

八王子キャンパスの中心にある、建物がアートテークです
実はごくごく最近に出来た建物なので、在学生でもまだ利用したことのないと言う学生も多いのですが、私が特に知っていただきたいのは大石膏室です!!

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/art-theque/
国内でもここまで大きな石膏像を複数設置している大学はなかなかないと思います。
サモトラケのニケをはじめとしたこの石膏像たちは、いつでも観覧し写真を撮ることができます。
申請をすれば、この石膏室でデッサンをする事もできます!!
イーゼルや椅子は貸し出しも可能で、蛍光灯やスポットライトなどの調光も自由に行えるので、理想的な石膏像を描くことができます。

【びけん】
制作の材料から履歴書用紙まで、画材や文房具はお任せ!

引用元:https://twitter.com/tamabiyori2012

美大生とは切っても切れない画材屋さん。多摩美では「びけん」という画材屋さんが入っています。
比較的小さい店舗ですが、中に入るとみっちりと画材や文房具が並んでいます。
画材だけでなく工具や溶剤、各種プリント用紙なども取り扱っており、隣接したスペースには有料レーザーコピー機が4台設置されています。

今回は大学で制作に役立つ施設をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?次回は「美大生のご飯事情」と題して、多摩美内外で食事を取れる施設や食生活をご紹介します。ご覧いただきありがとうございました。

〇はみ出しコラム〇

八王子キャンパスの中は高低差が大きく「坂、階段、山!!!」と言う印象。
地図上で見ると距離が無いように思えても、実際は迂回したり建物の中を通ったりしなければならないことも!
特に講義が行われる「共通教育センター(通称:共通教育棟)」は、訪れる機会は多いのにキャンパス内の一番高い場所にあります。
ですがここだけの話・・・・・・ここまで行くのに可能な限り坂を登らないルートがあったりします。
それが先ほど紹介した「アートテーク」の中を通るルート。アートテークに入ると少し奥にエレベーターが設置されています。これを利用し4階まで上がり、右手に曲がると共通教育棟への連絡通路があります!
他の箇所のエレベーターや迂回などとあわせると、一番高低差のある正門からでも緩やかな坂を少し登る程度で、共通教育棟まで向かうことができます。
ただし、本来エレベーターはバリアフリーや荷物運搬の為に設置されています。健康のためにもエレベータ利用は節度を持って利用しましょう!

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

多摩美のひみつ

初めまして、インターン生の渡邉です。
今回から私が所属している多摩美術大学について5回、版画学科について5回、合計10回に分けて「多摩美のひみつ」についてご紹介していきたいと思います。
特に「多摩美術大学に通いたい方」「これから多摩美術大学に入る方」に向けて、多摩美での大学生活や制作活動について、少しでもご協力することができたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

【多摩美術大学の概要について】

多摩美術大学は上野毛と八王子市にキャンパスを持つ東京都の私立大学です。
美術大学の中では東京藝術大学に続いて挙げられることも多く、沢山の作家、デザイナー、有名人の方々を多く輩出しています。

(八王子キャンパス)
引用元:http://www.tamabi.ac.jp/prof/facilities/hachioji.htm


(上野毛キャンパス)
引用元:http://www.tamabi.ac.jp/prof/facilities/kaminoge.htm

学部は現在(2018年2月時点)で美術学部のみで、10の学科と細かな専攻に分かれています。
学科ごとにキャンパスが分かれており、美術学科の8学科と大学院が八王子キャンパスに、残りの学科が上野毛キャンパスに設置されています。
また、キャンパス以外にも大学に付属した施設が多く、多摩美術大学美術館や、アキバタマビ21、山梨県と奈良県にセミナーハウスを持っています。これ以外にも工芸工房や研究所など、様々な機関と関連を持っています。

引用元http://www.tamabi.ac.jp/museum/about.htm
多摩センター駅付近にある大学美術館です。授業の一環で教授の方が、展示やインスタレーションを行うこともあります。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/museum/about.htm
秋葉原にある3331というアートセンターの一角にある。アキバタマビ21です。多摩美の出身の若手作家が個展を行っています。

さて、次にキャンパスについてお話していきたいのですが、絵画学科の私が通っているのは「八王子キャンパス」になります。
なので今後の記事の中では、八王子キャンパスでのことを中心にお話ししていきたいと思います。
(上野毛キャンパスに興味を持っていらっしゃる方、大変申し訳ありません……)
しかし、大学生活の中で何かとキャンパスを行き来する場合もあると思いますので、そのときのご参考になれば幸いです。

【八王子キャンパスについて】

八王子キャンパスは東京都の八王子市と、神奈川県の相模原市との丁度境目の辺りにキャンパスがあります。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/prof/facilities/hachioji/h_facility.htm

主な最寄り駅は「八王子駅」と「橋本駅」になります。
JR中央線や京王線の八王子駅からは、直通のバスで約20分です。
道中には自然も多く大きな坂をいくつも超えて行くので、私はよくその間に風景を楽しみながら通っています。
天気のいい日に富士山が見えたり、遠くに広がる夕日を眺めたりしたときには、通学中でもちょっとした旅行気分になれます

もう一つの最寄り駅の「橋本駅」からはバスで約8分です。
こちらは距離もそれほどないので、徒歩や自転車で通っている学生も多いです。
道中には大きなディスカウントストアなどもあり、この最寄り駅周辺で下宿している学生が多いです。

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/prof/facilities/hachioji/h_facility.htm

引用元:http://www.tamabi.ac.jp/prof/facilities/hachioji/h_facility.htm

自然豊かで広いキャンパスでは、様々な動植物を観察することもできます(私も雉を見かけたことがあります!)
各学科や専攻の施設に関わる施設だけでなく、あらゆる美術資料が揃う大学図書館や学科を問わずに利用できる技術施設、画材屋や印刷業者、紙屋など制作に関わる施設が集まっています。
もちろん学生が気軽に利用できる食堂や購買もあり、構内にパン屋さんもあったりします。

一つ一つをじっくり紹介したいほど、様々な施設がありますが、
これらの施設は、次回にまた掘り下げていきたいと思います!

今回はここまでとなります。
次回は大学内の施設の詳しい説明や多摩美周辺について、個人的な体験も交えてお話ししていきます。

〇 はみ出し小話 〇
東京にある5つの私立美術大学を総称して「東京五美大」と呼びます。
多摩美もこの東京五美大の中に含まれており、武蔵野美術大学、女子美術大学、東京造形大学、日本大学藝術学部。これらの大学とは何か協力や企画、個展などを行っています。
(よく間違えられてしまいますが、国立大学の東京藝術大学は実はこの中には入っていないのです……)

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。