民族衣装を紹介!着物編

いよいよ最終回。着物について説明します。
日本に伝わる伝統的な衣装、着物。
特徴は布を曲線に切り立体構成によって作られる洋服とは違い、
一反の布(12メートル分)から作られ全て四角いパーツの平面構成の衣服であることです。
かつては全て手縫いで作られていたため傷んでもパーツを解いて他の用途に使う事ができます。例えば元は着物だった物が使い古されて布団になったりオムツになったり下駄の鼻緒になったりして最終的には火にくべられて灰になります。
とてもエコロジーな衣服なのです。
もちろん今はそのような使い方はしません。しかし着物を作る際に反物は余す事なく使いきれるように裁断できます。やはり無駄のない衣服です。

ところで着物とは
冠婚葬祭、訪問用、カジュアルなどTPOに合わせ様々な使い分けがされるのはご存知だと思います。
ここからはその種類について説明します。

フォーマルな着物は留袖、振袖です。
合わせる帯は袋帯。
振袖は成人式で女性が着る事で有名ですね。振りとは袖の長くなっている部分を指します。基本的に若い人ほど振りは長く、年配の方になるにつれて振りが短くなります。この傾向は以前解説したルーマニアの巻きスカートにも通じるところがあると思います。
黒留袖は既婚女性専用で色留袖は未婚でも着られます。振袖はいわばドレスで未婚の若い女性がパーティー用に着る事もあります。

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セミフォーマルなのは訪問着、付け下げ、色無地です。
これには洒落袋帯というものを合わせます。
この中では絵羽と言われる手法を使って柄が染められている訪問着が一番華やかな印象になります。付け下げはその次くらい。訪問着ほどの華やかさがないかわりにややカジュアルな雰囲気でも活躍します。色無地は文字通り無地一色の着物です。紋をつければフォーマルな場面でも活躍できるようです。

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そしてカジュアルなのが小紋柄や紬といったものです。他にもデニム着物や綿の着物、浴衣もここに入ります。
名古屋帯という幅の狭い帯を合わせます。
小紋は細かな模様が染められた着物ですがおしゃれなしてお出かけするにはちょうどいい華やかさを演出してくれるでしょう。
紬はいわゆる先染め(糸の段階で染めてから織り上げる)の反物を使用しておりチェック柄が多いです。ちなみに筆者は八丈格子という柄の紬をもっています。
浴衣はもっともカジュアルな着物と言えるでしょう。夏になると浴衣を着た女性が歩いている様子をよく見かけますね。

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このように着物には様々な種類があります。少し前までは着物は型を崩してはいけないと、TPOや季節で決まった柄を着なければならないといった型にはめる認識が多いかったのです。
しかし今では浴衣をはじめとするカジュアルな着物も着られるようになったと感じます。実際筆者も前述した紬の着物には自作の帯を合わせています。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

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民族衣装を紹介!イスラム編

こんにちはインターン生の上杉恭華です。
世界には様々な宗教がありますが、そのなかでイスラム教がありますね。
今回はイスラムの女性の衣装について説明します。
イスラム女性と言われてまず連想するのは頭に巻いたスカーフのようなものだと思います。

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これはヒジャブと呼ばれています。インドネシアではジルバブと呼ばれます。
イスラムには「頭には神が宿っている」「女性は肌の露出を控える」という考えがありそれに基づいてこのように髪や首を隠すスタイルが浸透。
信仰のため服装と思われがちですが、彼女らにとってはむしろ一種のファッションとして認識されているようです。

この写真はカラフルなジルバブを巻いてショッピングをしている女性です。このようにジルバブの色や巻き方で個性を表現できます。

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この写真はイスラムファッション店「ゾヤ」のジルバブコーナーです。
色とりどりの美しいジルバブが陳列されています。
撮影された当時は腰までかかる長いジルバブがトレンドだったそうです。

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今では若手のファッションデザイナーが若者向けのおしゃれなジルバブをデザインするようになったり巻き方のバリエーションを紹介する動画が作られたりしたことでファッション好きな若者を取り込み、インドネシアでは半数の女性がジルバブをまとうようになったそうです。
これに対して「ジルバブの本来の用途が変わっていく。」と苦言を漏らす年配の方々ももちろんいるようです。しかし彼女らの信仰心に変わりはなくむしろおしゃれなジルバブをまとうことで自分達の宗教や文化への愛情が深まったという女性もいます。
大切なのは見た目だけではありません。他の事にも通じる考えですね。
今回はここまでです。次回はいよいよ最終回、お楽しみに。

参考
Sankei Biz
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/141015/mcb1410150500015-n1.htm
まくびーず
http://macbeese.com/report/%E3%83%92%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%96%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86

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民族衣装を紹介!アイヌ編

こんにちは、インターン生の上杉恭華です。
日本の北に位置する北海道。ここにはアイヌと呼ばれる人々が暮らしています。彼らは自然の様々なものにはカムイ(神の意味)が宿っていると信じ、自然と共生し独自の文化を育んでいました。今回はそんなアイヌに伝わる民族衣装について解説します。
男女ともに羽織状の長い衣装を身につけています。細い帯で腰を縛るなど日本の着物に似ていると言えるでしょう。

これはアットゥシ織りの布で作られた羽織です。アットゥシとはオヒョウやシナノキなどの木の皮から取れる繊維で作られる硬い布です。木の皮の靭皮を剥ぎ取り茹でたり泥水に晒したりして柔らかくしたものを裂いて糸に加工、それを織って作ります。
春先から夏にかけて取れる樹皮が水分を多く含み加工しやすいそうです。
装飾には木綿のアップリケを使います。切り伏せ縫いと呼ばれる手法でつけられたアップリケにチェーンステッチであのアイヌ独特のシンメトリーな模様が縫われます。この模様には魔除けの意味があるそうです。

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樺太に住んでいるアイヌは魚皮製の服や靴を作っていました。魚皮はサケやマスから作られます。剥ぎ取った皮を4~5日干して完全に乾燥させた後、加工するときにぬるま湯に浸けて柔らかくしてからツルウメモドキの樹皮から作られた糸で縫製されます。靴の場合は魚4~5匹、服の場合40〜50匹もの魚が必要です。産卵前のサケ(美味しそうですね)より産卵後のサケが皮が厚くて長持ちし、魚皮の靴を大切に履けば冬も越せます。魚皮の衣服は現代に例えるとレインコートのようなもので水を弾きます。さすが魚ですね。

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他にもイラクサという植物から作られた衣服があります。同じ植物繊維から作られるアットゥシに比べて白く薄い着物になります。
イラクサは若芽を摘んで食べることができる他、成長した茎からは繊維がとれます。アイヌの人々は着物の他にも帯や弓の弦を作ったそうです。
写真は樺太に住むアイヌに伝わるイラクサの着物。上のアットゥシの着物に比べて模様の雰囲気が違うのが分かるでしょうか。樺太アイヌはニブフという北方民族の影響を受けており、日本の影響を受けた北海道アイヌとは違う特徴をもちます。

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これらの衣装はすべてアイヌの女性の手仕事によって作られていました。
残念ながらアイヌの魚皮製の靴を作れる人はいなくなってしまいましたが、一方アットゥシはもともと家庭で実用品として作られていたのがやがて本州に輸出されるようになりました。今でも伝統を絶やさずに織られ続けて今では伝統工芸として認められています。
今回はここまでです。次回もお楽しみに。

参考
平取町二風谷アイヌ文化博物館
http://www.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/nibutani/juyo_yukei_minzoku/nah-a-0013.htm

古代織産地連絡公式サイト
http://kodaiori.net/blog/product/attoushiori/

サーモンミュージアム
https://www.maruha-nichiro.co.jp/salmon/kids/03/03.html

国立民族学博物館
http://www.minpaku.ac.jp/

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民族衣装を紹介!アフリカ編

こんにちは、インターンシップの上杉恭華です。
今回はアフリカのビーズ細工について説明します。
アフリカでは色とりどりのビーズをつかったアクセサリーが有名です。
アフリカでは昔から様々な素材のビーズが作られてきました。ダチョウの卵の殻、木の実、琥珀、動物の歯、鉄、ガラス、プラスチック、粘土これらがビーズの素材です。最近では注射器のキャップもあるそうです。

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オーストリッチシェルビーズのアクセサリー
ダチョウの卵の殻は固くて丈夫です。水瓶にも使われます。

アフリカ南部には上半身に衣類を身につけず代わりにビーズのアクセサリーを身につけている人々がいます。ヒンバと呼ばれる民族で特に女性は腰や足首、首に鉄で作られたビーズを身につけているのです。鉄でできていますから結構なおもさがあります。実際腰のアクセサリーだけでも5キロにもなるそうです。これを日常生活で苦もなく身につけていられるヒンバの女性はたくましいですね。ちなみに彼ら彼女らは自分でビーズを作る技術は持たないため、鍛冶屋で購入しています。1.5メートル分のビーズは羊一頭で交換だそうです。

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前掛けだそうです。不思議な光沢を放ち持ってみると結構重いとか。

ケニアとタンザニアに暮らし、遊牧で生計を立てる、マサイ族と呼ばれる人々は色とりどりのガラスビーズを使ってアクセサリーを作っています。彼らは男女問わずおしゃれが大好きで特に女性は同心円状に作った首飾りをつけています。このビーズはヨーロッパ産で、アフリカでの消費が世界一なのだそう。普通に購入したものだけでなく親から譲られたり、恋人から送られたりした物使っています。今では都市に暮らすものも多いマサイ族ですがそれでも首飾りは大切にしているようです。

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また南アフリカではズールー族が暮らしています。ここでは花嫁衣装として使われる「イシコティ」というビーズの肩掛けが作られます。これは実に12枚もの布にそれぞれビーズを縫い付けつなぎ合わせたもので総重量は3キロにもなります。花嫁に家族の思いが込められた一品で式が終わると解体されてエプロンとして使われるそう。

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祭りの時のズールー族の女性。強そうですね。

ビーズのアクセサリーは今では日常生活で使う機会は減っています。しかしこれらのアクセサリーは店で売られる事も多く、観光客には人気のお土産になっているそうです。

参考
旅するとんぼ玉
https://www.pandamo.net/109_2273.html

世界のかわいい民族衣装
https://bookmeter.com/books/6514989

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民族衣装を紹介!キラとゴ編

こんにちは、インターンシップの上杉恭華です。
今日も世界の民族衣装について解説していきます。
今回はブータンの民族衣装キラ、ゴについて説明します。キラとは女性用の衣装、ゴは男性用の衣装です。ブータンは以前「世界一幸せな国」として有名になりましたね。そのブータンでは国民に民族衣装を着ることを義務付けているそうです。
 キラとは以前紹介したインドのサリーが発展したものです。サリーと同じように長い布で、サリーと違うのは三枚の布をつなぎ合わせている事と、寒冷な気候のため厚手の布で作られているというところです。
 着用方法はグツムと呼ばれる下着をきた後に肩や脇にと体に布をぐるぐる巻きにして両肩をブローチ(コマ)で止め、腰に細い帯ケマを結びます。このままだと腕は露出しているので下に長袖ブラウスをきたり上から長袖の上着テュゴを着たりします。

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-ff-70/yokko481226/folder/1793915/31/51958931/img_3?1242255357

 男性用の衣服はゴと呼ばれます。これは隣国であるチベットから影響を受けた平面構成の衣服です。つまり日本の着物に似ているということです。違いは着物が全て四角いパーツで作られているのに対してゴには斜めに切られたパーツがあること。そのためゴは日本の着物に比べて動きやすくなり、畑仕事など労働にも適した衣服となります。
 着物のように帯を縛り、おはしょりを作って丈を調節することが可能。丈は膝がベターです。下着は長袖シャツのテュゴで足にはハイソックスを履きます。フォーマルな場面ではゴの上からカムニという肩掛けをかけます。

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 ブータンの民族衣装は少し変わっているといえます。なぜなら同じように平面で構成される衣服を使用する地域は日本やインドを含めて温暖な地域が多く、涼しくするようにできています。しかしブータンは山地で冷涼な地域のため目の詰まった厚手の生地で服が作られキラの場合体にぐるぐる巻きにしてから上着を重ねることで寒冷な気候に見事適応して見せたのです。
 最初に述べた通りブータンでは国民の民族衣装の着用が義務付けられています。しかし私たちが着ている洋服と同じようにキラやゴの着方にも流行があるのです。彼ら彼女らは普段からハイソックスや裏地、キラとテュマの色の組み合わせ、襟の出し方など様々なおしゃれを楽しんでいます。

参考
ブータンの民族衣装を着てみましょう。
http://dharsing.com/kirago.html
マイ・カントリー・ロード
https://blogs.yahoo.co.jp/yokko481226/51958931.html

今回はここまでです。次回もお楽しみに。

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民族衣装を紹介!オセアニア編

こんにちは、インターン生の上杉です。
今回は南国。オセアニアの民族衣装について説明します。
熱帯地方であるオセアニア。一年を通して気温が高いので彼らは寒さから身を守る必要がありません。そのため衣服は腰蓑や腰巻が主流になります。例えばフラダンスをする時の衣装、あれも緑の葉で作られた腰巻に花のレイを首に下げた姿です。
ちなみにあの腰蓑の材料になっているのはハイビスカスの繊維です。私自身ハイビスカスは花のイメージしかなかったのでびっくりしました・・・。

 腰蓑は主に西部の島で使われているようです。ニューギニアではミニスカートくらいの長さだったり、ミクロネシアのヤップ島では逆にロングスカートくらいだったり長さは地域によって違うようです。
 例えばヤップ島に住む女性は私たちが普段服を着まわしているように5枚の腰蓑を使いまわしています。祭事用のもの、日常着、畑での作業用など用途にも分かれています。古くなったものは月経小屋で使われ、捨てられました。洗って使いまわす事はありません。もちろん100パーセント天然素材なので捨てても問題ありません。合理的な使い捨てというものです。
 ちなみに先ほど述べた月経小屋とは文字通り月経中の女性が過ごす隔離小屋です。月経中の女性は不浄と見做されているようで彼女らはその間は村はずれにある小屋に移動しました。不浄と見做すのは差別的な感じはしますがその期間は日常の仕事から開放される時間でもあります。そう考えるといい福利厚生なのかもしれません。

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祭り用の腰蓑をつけたヤップ島の人々。
ここに写っている女性用の腰蓑は日本で言うところの振り袖にあたります。
ハイビスカスの繊維をなんと日本製の合成染料で染めたそうです。
歌と手拍子、勇壮な足踏みで観客と一体になって踊ります。
 
 腰巻とは伝統的にはバナナの繊維、現在は木綿で作られたカラフルな布です。ミクロネシア中央部のサンゴ島では東南アジアから伝わった腰機(織り機の一種)で女性たちが作っています。独特のストライプが特徴で現地の村を訪れると腰巻があちこちに吊るされているそうです。また腰巻はサンゴ島の人々にとって島で手に入らないものを手に入れるための重要な商品です。そして村で死者が出た時には特殊な模様の腰巻が作られ、故人はそれに包まれて葬られます。腰蓑には社会的な役割も込められていたのです。

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今回はここまでになります、次回もお楽しみに。

参考
世界のかわいい民族衣装
https://bookmeter.com/books/6514989
冒険旅行記 地球の島巡り 旅の鉄人 鉄人60 池内嘉正 The world island expedition
http://www.tetujin60.com/article.php/7Yap

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民族衣装を紹介!番外編、魔除けについて

こんにちは、インターン生の上杉恭華です。
いつもは民族衣装について説明しておりますが今回は番外編ということで、「魔除け」について説明しようと思います。
前回民族衣装の役割について「自分の個性を表すためのもの、民族の独自性を表すためのもの。」と説明しましたが、民族衣装には他にも役割があります。
 それは魔除けです。今ほど医療技術の発展していない時代、病や災害は呪いによって持ち込まれるという考え方がありました。根拠などないと思うかもしれませんが、「病は気から」ということわざがあるくらいですから、今にも通じるところがあるのではないでしょうか。人々はそれらから身を守るため様々な「お守り」を作ったり衣服に施したりして命や健康の安全を願ったのです。
 今回紹介するものは衣服ではありませんが、どうぞ見て下さい。
 世界のいたるところに伝わる民間伝承、その一つに「邪視」があります。
 これは他者から恨みや妬みなど悪意を持った視線を受けると病にかかる、最悪の場合命を落とすといった災難に見舞われる伝承です。富や権力、容姿に恵まれた人物は特にその影響を受けやすいと考えられていました。妬みの対象になりやすい人は気をつけた方がいいというのは昔から変わりませんね。
 中東やイタリアではこれを防ぐために「ファーティマの手」と呼ばれる、手のひらに目を描いたようなマークが魔除けに使われています。
 他にもトルコでは「ナザール・ボンジュウ」という目玉を象った青いガラスの護符が使われています。

「ファーティマの手(もしくは目)」
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「ナザール・ボンジュウ」
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どちらにせよモチーフになったのは目です。視線は視線で跳ね返すということでしょうか。

 「邪視」の他にも「不幸をもたらす魔物は衣服の袖や裾から入ってくる」という民間伝承もあります。実際病をもたらす原因のウイルスや細菌は手が感染経路の一つですからこの考え方も間違っていないのかもしれません。
 そのため民族衣装は袖口や裾、襟に装飾を施されることが多いです。そこに用いられる模様は魔除けの意味をもたらし、時には鈴やコインなど金属の飾りを縫い付ける事もあります。金属には魔除けの効果があると信じられていたからです。
 この写真はアイヌの「シヌイェ」という風習を表すものです。

「シヌイェ」
http://karapaia.com/archives/52236529.html

彼ら彼女らは「悪魔」は口から入ってくる(実際経口感染というウイルスの感染経路がありますね。)と考えているため女性は口の周りにこのような刺青をしていたのだそうです。
 このような民間伝承や迷信は様々なモチーフがありますが意外と共通点もあったり、今にも通じる考え方があったりとなかなか興味深い内容なんです。
 今回はここまでになります。次回もお楽しみに。

参考
邪視
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/tep007.html
カラパイア
http://karapaia.com/

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民族衣装を紹介!ルーマニア編

こんにちは、インターン生の上杉恭華です。
今回はルーマニアの民族衣装について解説します。

民族衣装は自分の性別や身分を伝え、個性を示します。
民族全体となると文化の独自性を表すことにも繋がる、とても重要な役割を持ちます。
そのため様々な民族が暮らす地域では自分達と他の民族を見分けるためにも様々なデザインが施されていきます。

今回紹介するルーマニアでも村ごとに異なる色や装飾が発達してきました。

http://www.minpaku.ac.jp/museum/kids/media/mst/20150606

祭りのための衣装を着て踊っている男女です。
女性は巻きスカートにブラウスとベスト、スカーフで、
男性はズボンにシャツとベスト、帽子の姿です。

中でも華やかなのがザディエと呼ばれる巻きスカートです。以前は二枚のザディエをまとっていたようですが現在は一枚をエプロンのように身につけることが多くなりました。
未婚、既婚、中年、老年で色が変わっていき、
若い人は明るく年が上がるに連れ地味な色になります。

スカーフはバティックと呼ばれます。
日本製のものが好まれると言われていますが、
店で売られるものではなく定期的に開かれる市でしか買えないようなので本当に日本製なのかは定かではありません。

ブラウスはギャザーの入った白でベストには鮮やかな刺繍が施されています。

残念ながらこれらの民族衣装が日常的に使われることはほとんどありません。
しかし、その代わりに日曜日やイースター、クリスマスなどの季節の行事ではここぞとばかりに活躍します。
特に社会主義時代から開かれている伝統舞踏大会では各地の村からそれぞれの民族衣装を着た代表者が集まってきます。
かつての農村文化が蘇ったかのようなそんな光景が見られる日になるのです。

今日はここまでです、次回もお楽しみに。

参考 世界のかわいい民族衣装
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=3757
国立民族学博物館
http://www.minpaku.ac.jp/museum/kids/media/mst/20150606

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民族衣装を紹介!アノラック編

今回はイヌイットが使っているコートについて解説していきます。

イヌイットとはロシアの北東端沿岸部からアラスカ、カナダ北部、グリーンランドに至る地域に住む先住民族のことです。
この地域は極光地域と呼ばれ夏には日の沈まない白夜が出現し、逆に冬には日のほとんど登らない日が発生します。
冬の気温はマイナス20度にもなり、夏でも平均気温は10度までしか上がりません。
まさに極寒の地域です。

季節のほとんどを氷雪に覆われ、夏は苔や草が生える程度という大変厳しく思える環境ですが、
そこには驚くほど多種類の生物が生息しています。
イヌイットはそこでアザラシやカリブーと呼ばれる野生トナカイなどの動物を狩ってくらしています。
そんな極光地域に暮らすイヌイットにとって寒さから身を守るためのコートは欠かせません。
こちらがそのコートでアノラックと呼ばれています。

http://www.minpaku.ac.jp/research/sc/teacher/minpack/canada/01

カリブーの毛皮を足の腱を加工した糸で縫い合わせて作られています。
カリブーの毛皮は防寒性と保湿性に優れています。
ものすごい臭気を放つようですが、気温がマイナス30度以下にもなると臭いがしなくなるそうです。
ここに同じカリブーのズボンをあわせ、靴とミット(手袋)はアザラシの皮で出来たものを使っています。
アザラシの皮は保温性と防水性に優れているからです。

一方女性の着るコートはアマウティクと呼ばれ、「ねんねこ」のように子どもを背負える大きなフードが付いています。

https://www.canada.jp/stories/post-5295/

こちらもかつてはカリブーの毛皮で作られていましたが今では布製です。
女性はアマウティクやミットにビーズで美しく飾り付けし、おしゃれを楽しんだそうです。
どんなに厳しい環境でもおしゃれをしたいという女性の思いは変わらないようですね。

1960年代を機にカナダのイヌイットは政府が作った村に定住するようになりました。
彼らの暮らす住宅は暖房完備でテレビやラジオなどわたしたちと同じような技術や物を使っています。
村を出て都会で暮らしたがる若い人たちも増え、過疎化が起こっている地域もあるようです。
狩りに関しても、今では店で買ったダウンを着て出かける人も多いですが、長時間の狩りとなるとやはり毛皮のアノラックを着ます。
そして学校ではイヌイットの文化を絶やさないように授業内でミットや靴を作る技術を伝え続けています。

今日はここまでになります。次回もお楽しみに。

参考 世界のかわいい民族衣装
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=3757

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民族衣装を紹介!サリー編

この記事では世界の民族衣装について説明します。
第1回、今回はインドの民族衣装として有名なサリーについて解説したいと思います。

サリーとは「細長い布」を意味し、文字通り幅120センチ、長さ5~6メートルの一枚の布です。
これをプリーツ(ひだ)を作りながら体に巻き付けることで着用します。
布一枚という簡単なつくりのため、体型に関係なく身につけることが出来ます。
衣服としてだけでなく壁に掛けてタペストリー代わりにすることもあります。本当に優れものですね。

素材はコットン、シルク、ポリエステル、レーヨンなど色々な生地でつくられています。
コットンは昔からもっともポピュラーな生地です。軽く、吸湿性に優れ、価格も安価です。
皺になりやすいのが欠点といえるでしょう。
シルクは高価な生地。肌触りがよく独特のコシとツヤがあり見た目もゴージャスになります。
水に弱く手入れがちょっと大変です。
そしてポリエステルやレーヨンは合成生地。シワになりにくく手入れの手間もかからない生地です。
涼しいので夏向けの生地が多いでしょう。

デザインもバリエーション豊富でカジュアルからフォーマルまであるんです。

ここからは着用方法を説明していきます。
同じ平面構成の衣服仲間の着物にも言えることですが美しく着るのは練習が必要なくらい難しいです。
さらにインドに住む地域ごとに着方は変わっている様子。後述のペチコートを使わなかったり、
プリーツをとった中央を股にくぐらせて袴のようにしたり。
しかしここでは比較的カンタンに着られる方法を紹介します。

まずインナーとしてペチコートとチョリと呼ばれるサリー専用のブラウスを着ます。
チョリはへそ出しのデザインになっています。
インドではへそ出しは平気だけど足を見せるのは恥ずかしいそうです。
日本とは逆かもしれません。

ペチコートの紐はきちんと結んでくださいね、ずり落ちて着崩れの原因になってしまいます。
今ではサリー専用のベルトがあり、この中にプリーツを畳み込めるようになっている便利なアイテムです。

サリーには装飾の付いた端(パルーと言います)とそうでない端がありますが、
装飾のついていない方の端を体に巻き付けます。

一巻きした所で今度はプリーツをつけます。3つ、4つくらいでしょうか。
作ったプリーツは安全ピンで仮止めし、崩れないようにします。
着慣れている人はウエストにプリーツを押し込む事で安全ピンなしで固定出来るそうです。

そして余った端、パルーを肩にかけます。
ここでプリーツを増減させてパルーの長さを調節しましょう。
ふくらはぎくらいまでが目安です。

最後に仮止めしていたプリーツをウエストに押し込みます。
サリーの裾、パルーの端が全体的に平行になっていると美しく見えるのだそうです。

今回はここまでです、次回もお楽しみに!

画像引用、参考元 sansar 興味があったら見てみて下さい。
https://www.sansar.jp/

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