下絵付け、釉薬、本焼成(仕上げ作業)

こんにちは、インターン生の川島です。
本日は第7回目で急遽最終回ということで、下絵付けと釉薬、本焼成について紹介いたします。

下絵付けとは
素焼きしたものに顔料で絵を描いていく技法のことです。
弁柄、ゴスという2種類の顔料が基本使用され、他にも種類があります。

・弁柄…鉄分を多く含む顔料。見た目が真っ赤で、指についていると時々血と間違えます。
    本焼成の焼き方次第で黒色、黒と赤茶になります。薄すぎると色が出ないこともあります。
・ゴス…コバルト化合物を含む顔料。青色を中心として様々な色があります。
    墨の濃淡のような表現ができ、やわらかな絵付けができます。
下絵付けは焼成すると多少色味が変わるため、綺麗な色を出したいときは上絵付けがおすすめです。

釉薬とは
ガラスとほぼ同様の成分で、作品が吸水しないようにコーティングするもの。
各原料の配合量によって、色合いや溶けやすさ、下絵付けとの相性などだいぶ変わります。
(原料は金属や鉱物類で、中には劇薬を使用した釉薬もありました)
透明釉、白萩釉などが基本的な釉薬となり、織部や瑠璃、鉄斜(てっしゃ)など多く種類があります。
なかにはオリジナルの釉薬を作るなど、無限に作ることができます。

それでは、下絵付けと釉薬の手順を説明していきます。
※顔料は粉末とお茶をよく混ぜて、なめらかにしてから使用します。
※釉薬は分離した水をある程度取ります。残った水とたまった原料をよく混ぜて釉薬の濃度を測ります
 濃い場合は、さきほど取り出した水を少しずつ加えて調整して約50%にしておきます。

1、素焼きした作品をやすりで凹凸を軽く取り除く
2、やすりがけした作品を水を含んだスポンジなどで拭く(粉が残っていると釉薬などが綺麗にのらないため)
3、下絵付けする場合は顔料を用意。鉛筆で下書きし、絵を描いていく。
4、釉薬を用意し、作品にかけていく。この時、作品の底に釉薬がこないようにする(釉薬がとけて棚板とくっつき、取れなくなるから)
5、釉薬が乾いたら、小さい穴を埋めたり底にきた釉薬をスポンジなどで拭いたりと微調整し完成。

このあとはいよいよ本焼成です。

本焼成(OFとRF)
本焼成とは作品に顔料、釉薬を定着させていく焼成です。
素焼きとの違いは、温度が約1250℃前後(磁器は約1300℃)、時間が15、16時間とかなり大掛かりな作業となります。
現在は電気窯で管理しやすくなりましたが、登り窯だと三日三晩人の手で管理しなければなりませんでした。
また焼き方に2種類あります。それがOF(酸化焼成)とRF(還元焼成)です。

OF(酸化焼成)…顔料、釉薬に酸素くっつけて酸化させる焼成です。焼成後はRFより綺麗に出ます。
RF(還元焼成)…同様のものに酸素を取り出して還元する焼成です。焼成後は少しくすんだ暗めな色合いになります。
        また還元焼成のみ還元作業があります。

窯詰め方法は素焼きと大体同様ですが、いくつか違う点があります。
・棚板にアルミナ粉を水と混ぜた液体を作品が乗る面に塗ります。支柱にも塗ります(釉薬によるくっつきを多少防止できます)
・作品を重ねたり、くっつけてはいけません。(作品同士がくっつきます)
・棚板の境目になるべく作品がこないよう配置する(溶けやすい釉薬は特に危険)

あとは素焼きと同様に窯詰めして焼成します。

還元作業(窯のガスバーナーによる)
窯の下部分に還元用の穴があります。そこにガスバーナーに点火した火を窯に入れて還元させていきます。(理科の実験を思い出します)
・ガスの元栓、空気、ガス調整を確認し、火を少しずつガスバーナーに近づけてガスを入れていきます。
・ガスバーナーの火を見ながら、空気を入れて青い炎までにしていきます。
・空気調整の部分に印があるので、3回転後にその印が合うよう閉めます。
 なお一気にではなく1分毎に閉めるので、1回でどのくらい閉めるかを計算しなければいけません。(そばから離れられない)
・閉め終わったら、そのまま約1200℃まで窯に火を入れていきます。
※焼成中はもちろんですが、還元中は少しツンとした匂いが出ます。必ず換気をしてください

無事焼成が終了したら自然に冷まして後日窯出ししましょう。

陶芸の制作工程の基本は今回で終了です。多くの時間を費やして大変ですが、陶芸の制作に少し興味を持っていただけましたら幸いです。
また、このあとに上絵付けという技法もあるので気になった方は調べてみてください。こちらもとても面白いです。
ここまで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。
また別の機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

ビスケットファイヤー!(素焼きについて)

こんにちは。インターン生の川島です。
本日は第6回ということで、素焼きについて紹介いたします。
陶芸は基本2回焼成します。※本焼成後、上絵付けをした場合は定着させるためもう一度焼成します。

乾燥させた作品→1回目、素焼き(ビスケットファイヤー、略してBFとも呼びます)→下絵付け、釉薬→2回目、本焼成(2種類焼成方法があります)

(素焼きとは)
素焼きと本焼成は焼く温度や時間でだいぶ違いがあります。
素焼きの温度は約800℃前後、時間は6~8時間が目安になり、主に粘土の水分を飛ばして釉薬が定着しやすい状態までにします。

 素焼きの植木鉢 http://www.yamacho-houwa.com/cathand/detail-151626.html

(窯の種類)
窯といっても様々な種類があります。
三日三晩絶えず様子を見張りながら、薪で焚いていく窯(登り窯)、ガスで火を調整していく窯(ガス窯)、電気で温度調整する窯(電気窯)などあります。
現在は管理がしやすい電気窯が多いですが、焼き物の産地に行くと登り窯も多く見かけます。
登り窯は薪で焚くので、その灰が釉薬と化学反応したり炎の当たり具合によって新たな表現が出てくることもあります。

 登り窯の写真 http://ohkuragama.sub.jp/kama.html

 備前焼の作品 https://www.veltra.com/jp/japan/okayama/a/123120

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、私の大学では電気窯が多かったので電気窯を想定に、素焼きの手順説明していきます。

(焼成までの手順)
焼成で必要なもの
・棚板(作品を置いていく棚。見た目よりかなり重く、落とすと割れることもあるので持ち運びには注意)
・支柱(作品が棚板につかないよう支えるもの。様々な高さがあり、一番高い作品に合わせる)

 棚板と支柱(三角型)https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E9%99%B6%E8%8A%B8%E7%AA%AF+%E6%A3%9A%E6%9D%BF/

1、窯の一番下に豆腐型の支柱、棚板の順に上に置いていく。窯の大きさ次第だが、大きいと一段に棚板2枚必要。
2、一段目にどの作品を置いておくか決める。その中で一番高い作品に合わせて支柱の高さも合わせる。
(大型→小型の順に配置すると良い。また素焼きのみ重ねて入れることもできる)
3、棚板いっぱいになったら、支柱の上に新たに棚板をのせる。
4、2と3を繰り返して上に積み上げていく。

作品を重ねていく写真 https://plaza.rakuten.co.jp/kouboumomo/diary/201211110000/

上まで積みあげた写真 http://www.tougei.com/shop/pages/seisaku_koutei_4.aspx

積み終わったら、電気窯のプログラムを組み焼成開始する。
(何時間で何℃あげるのか、何時に何℃になるよう設定)

(焼成中)
・こまめに窯の様子を見ること(作品や窯の異常などをいち早く発見するため)
→1時間毎に時間や温度、ガスなどの数値を記録していました。記録すると後に再度素焼きする時の参考にもなります。
・約600℃になったら、天井窓のふたを閉める(開けていた理由は粘土から出た水分を逃すため)

(焼成後)
・目的の温度まで達したら、窯自体を自然に冷ましていきます。(窯の大きさ次第ですが1、2日間ぐらい放置する)
・100℃以下になったら軍手をし、やけどしないよう作品を取り出す(さらに素手で触れるくらいに冷ます)

これで素焼きは終了です。
次の人が使えるよう、窯の中を掃除して片付けます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

素焼きはかなり重要な工程です。
粘土の伸縮差、空気、水分によりひび割れや爆発が発生しないよう温度調整も慎重になります。(乾燥は本当に大事です)
大型な作品(特にオブジェなど)は80℃前後でキープして水分を長時間飛ばしてから焼成することもあります。
ひび割れなどなく形がしっかりしていれば、本焼成でも問題ないことが多いです(完全には言い切れないですが…)

作品が爆発した後の写真 https://blogs.yahoo.co.jp/kougetu1203/27596341.html

余談ですが、乾燥した粘土を素焼きせずに釉薬をかけ、本焼成するという方法(焼きしめ)もあります。
実際にやってみましたが、粘土が脆くて釉薬の重みで壊れることもありました。少しコツが必要です。

今回はここまでにいたします。
次回は「下絵付けと釉薬」について紹介したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
それでは次回お会いいたしましょう。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

乾燥させている作品にご注意を

こんにちは、インターン生の川島です。
本日は第5回、乾燥期間のことを紹介いたします。
乾燥期間は作品の大きさ、気温、湿度によって左右されます。当然雨季だと乾燥が遅く、冬の時期は乾燥が早くなります。
こまめに作品の乾燥状態を確認することが重要です。
ではまず成型後の作品を、持っても変形せず少し柔らかく湿り気がある状態まで乾燥させます。

成型→乾燥(加工しやすい硬さまで)→加工・調整→乾燥(完全に乾燥させます)

この時の加工・調整は食器類は高台作り、マグカップ類は取っ手を付けていきます。
また成型時に粘土の厚さが厚すぎた時はここで削って調整することができます。

前回湯のみを想定して成型したので、ここでは高台を作ります。
高台とは食器類の底と机などに接触する部分です(ないものもあります)。皆さんも一度は見かけたことがあるはずです。
高台があると加工時も実際に使う時も持ちやすくなります。

 高台部分を持っている写真 http://monofactory31.jugem.jp/?eid=309

高台づくりに必要なもの
・粘土(作品を固定するため。作品と同じ粘土を使用すること)
・シッタ(粘土を素焼きや生の状態で筒状になっているもの。なくても良いが、あると作品の口部分が傷つかずに加工できる)
・カンナ、線描きベラ、かきベラ(粘土を削る時に使用します)

1.作品を伏せた状態で固定していきます。シッタがあるときは作品の大きさに合わせたものにし、シッタの上部分とろくろと固定するため粘土をつけます。

ろくろ台に固定したシッタ https://tyawanya.exblog.jp/i6/

2.中心を合わせて作品が動かないことを確認したら、線描きベラで大きさなどの目安をつけます。

外側から削り、形を整えている写真 http://www.tougeishop.com/video/p393.php

3.高さと外側の大きさを少しずつ削りながら調整し、中心から外側に向けて内側をくりぬいていきます。

内側部分をくりぬいている写真 https://blog.goo.ne.jp/forestfish/e/a9b581618f1aa08d44acc7d50582671b

4.くりぬいた内側の厚みを確認しながら調整していき、問題なければ完成です。

加工後は完全に乾燥を待つのみ…ですが、乾燥中でも油断大敵です。
上部分が薄くて下部分が厚いと当然薄い部分から乾燥していきます。大型のものだと乾燥の差が大きく、そのまま放置すると粘土の伸縮によってひび割れができることもあります。
それを防ぐために、薄い部分に濡れた雑巾や新聞紙をかぶせ、さらにその上にビニール類をかぶせると乾燥に差がなくなります。
こまめに作品の様子を見ながら、じっくり乾燥させていきましょう。

今回はここまでとなります。
次回は1回目の焼成素焼きについて紹介いたします。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次回お会いいたしましょう。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

形をつくろう3(ろくろ成型 応用編)

こんにちは、インターン生の川島です。
本日は第4回目ですが、今回ろくろ成型 応用編ついて紹介したいと思います。
(乾燥期間も一緒に紹介すると、だいぶ長くなるので回を分けました)
前回ろくろ成型の基本編を紹介しましたが、作品によって作り方が変わります。
今回はお皿類とつぼ類の作り方を紹介いたします。(あくまで一例です。人によって作り方は様々にあります)

「お皿類」
小皿程度なら基本編で作れます(ただし形が歪みやすい)
中皿(直径30cm以上)からのお皿は下記の方法で作ります。
1.ろくろの台と固定しよう
ろくろにひも状の粘土を円をえがくように置いて、
さらにその上に正方形の木の板を置き固定していきます。(お皿が変形せず、持ち運びしやすくするためです)

2.形を大きめにして調整
木の板の上にある程度の粘土を置いて固定し、
その後は粘土の高さ、厚さ調整まで基本編と同様です。

3.あまり粘土をのばさない
調整後、粘土の厚さをさらに薄くしていきます。
ただし、あまり高さを出さずに厚さも少しぐらい薄くなった程度にします。(広げるときに崩れやすいため)

4.なるべく少ない回数で慎重に広げる
こて類や雑巾を使用して中心から横に押すように少しずつ広げていきます。
1回目は少し広げた程度、2回目は理想の大きさまで広げます。(一気に広げないように注意。また内側の底部分も同時に整えていく)

5.仕上げと切り離し
あとは仕上げ用皮(なめし)で仕上げ、表面を整えて完成です。
この時に切り針金で作品と板をあらかじめ切り離しておきます。(乾燥した後だと硬くやりづらいため)

6.作品には触れず、下にある木の板ごと持って運ぶ
ろくろから切り離す時は木の板とその下の粘土の間にこてを入れ、てこの原理で少しずつ浮かせてはずします。

「つぼ類」
湯のみを作る時とほぼ同じですが、高さがあるものにつれて難易度があがります。
また、お皿類と違って粘土の厚さにより注意しなければいけません。

1.ろくろ台に固定しよう
お皿類と大体同様ですが、下に板をはさんで作ります。

2.粘土の厚さに注意
基本編と同様に粘土の高さ、厚さ調整まで済んだらさらに薄くしていき高さを出していきます。(膨らんだ形にする時はあまり薄くしない)

3.膨らませたい場合
口部分が狭く、下を膨らませたい場合は柄こてというこてを使用して少しずつ膨らませていきます。(横に膨らませると高さは低くなっていきます)

4.仕上げと切り離し
形、表面を調整したら、同様にあらかじめ板と底部分を切り離しておきます。
また、高さがあるつぼ類は倒れやすいので持ち運びにも注意しましょう。

さらに大型な作品を作りたい場合は、たまづくりや手びねりのようにひも状の粘土を積み上げて、ろくろで成型することも多いです。
私の場合力に自信がなかったので、大皿を作る時に粘土を分けていくつかひも状にして積み上げ、ろくろで少しずつ成型していきました。
(直径55センチくらいの大皿で約8キロの粘土を使用しました。)

今回はここまでになります。次回は「油断大敵、乾燥期間」を紹介いたします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回にお会いいたしましょう。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

形をつくろう2(ろくろ成型 基本編)

こんにちは、インターン生の川島です。
本日は第3回目ということで引き続き「粘土の成型」、ろくろ成型を詳しく紹介していこうと思います。

ろくろ成型とはろくろという機械を使用して粘土を成型します。
昔は機械というのはなかったので、手や足を使って手動で動かしていました。
それでは工程の流れなどを紹介していきます。(今回は基本として湯のみづくりの流れになります)

(必要なもの)
・水(粘土との摩擦をなくすため)
・雑巾(手を拭くのはもちろん、色々な場面で活躍します)
——————粘土の成型に必要なもの————————
・線描きベラ(粘土に目印や模様をつける時などに使用します)
・切り弓(粘土の高さを整える時に使用します。一番低い高さに合わせて、そこから余分な粘土を切ります)
・仕上げ用皮(別名:なめし。食器類の口部分を整えます。)
・切り針金、しっぴき(成型後、土台から作品を切り離す時に使用します)
これらは最低限必要なものです。他にもこて、かきベラ、カンナなど様々な道具があります。

機械のろくろ写真 https://jmty.jp/hiroshima/sale-ele/article-6h780

成型に必要な道具類写真 https://store.shopping.yahoo.co.jp/artloco/075902.html

ろくろを始める前に自分自身の利き手によって、ろくろの回転方向が違います。
右利きは右回転、左利きは左回転の方が作業しやすいといわれています。(個人差あり)

・はじめは土殺し
土殺しは粘土の中心を合わせる作業です。中心を合わせないと作品の形がいびつになったり、粘土の厚さにムラができます。
また、初心者にとって土殺しも最初は難しいかもしれません。回数を重ねて上達していきましょう。
荒練り、菊練りをした粘土をろくろ台にのせ、ろくろを回転させながら手で粘土を叩いて固定します。
粘土に水を満遍なくかけて、

1.土を上へ伸ばすように両手で粘土を押し上げます。
2.ある程度の高さまでになったら、次は時計の1時か2時方向にゆっくり倒していきます。

すると少しずつまとまり最初の形になるので、3、4回1.2.を繰り返していきます。

・次は粘土の厚さを整える
土殺しが終わったら、自分自身が作業しやすい高さまで両手で粘土を押し上げます。
真ん中に親指を押し込み、大体両手に収まるぐらいの大きさまで少しずつ広げていきます。手の力加減で粘土の厚さや高さをそろえます。(そろえておくとやりやすいです。)
そろえたら、内側の底部分とギリギリにならないように厚みをもって下部分を少しすぼませます。(作品を切り離す時に作業しやすい、粘土に無駄が出ないようにするためです)
残った上の部分で作品を作り上げていきます。

土殺しで倒している写真http://www.tougeishop.com/video/p9.php

真ん中に穴を開け、調整している写真 https://activityjapan.com/publish/plan/12657

・いよいよ本番、形作り
今回は湯のみを想定して紹介していきます。
仕上げの時や、窯で焼いた後の粘土は1.15cmぐらい縮小します。理想の大きさより少し大きめに作りましょう。
まず両手で粘土を優しくはさみ、指の力加減で厚さを調整していきます。厚さを調整する時、半分より上部分→残りの下部分と分けて厚さを薄くし均一にします。
厚さにムラがあると高さが一部変わったり、成型途中で崩れてしまったり、最悪ひび割れの原因となります。
厚さを調整していると粘土が上へと伸びていきます。厚さと高さを同時調整する、同時進行なので慣れるまで難しいです。
(粘土へ触れる回数が少ないほど、粘土は崩れにくくなります。慣れてきたら触れる回数を少なくするよう目指しましょう)

・大まかな形ができたので仕上げへ
厚さや高さをそろえておおまかな形ができたら、いよいよ仕上げです。
最初に外側内側の表面ですが、成型時に残る跡をそのまま残すのも良いですし、こてや筆などを使用して表面をきれいにします。
次に仕上げ用皮(なめし)で湯のみの口部分を滑らかにしていきます。
この時少し押さえるので、その分高さが低くなります。低くなりすぎた時は調整しましょう。

・成型完了
先にくぼませていたところをさらにくぼませていき、切り離しやすくします。
ろくろの回転を一旦とめて、切り針金またはしっぴきで下の粘土と作品を切り離します。
作品の形が歪まない様に持ち、作品をのせる板にのせて乾燥させます。

厚さや高さを指で調整する写真 https://yukobo.co.jp/kyoushitsu-blog/report-cat/tougei_specialty_member/page/4/

しっぴきを使用している写真 http://www.tougeishop.com/video/p17.php

切り離した作品を持つ写真 https://www.uzumakotougei.com/rokuro-tebineri.html

これでろくろ成型は一旦終わりです。
湯のみ作りは基本の流れで、少しずつ広げていくとお茶碗やお皿になっていきます。
(ちなみにプロの陶芸家さんですと、湯のみ1個につき約3分で作るそうです)
この後はある程度の硬さになるまで乾燥させ、さらに加工していきます。

今回は少し長くなってしまいましたが、次回は「ろくろ成型応用編と乾燥期間」について紹介したいと思います。
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
それではまた次回お会いいたしましょう。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

形をつくろう1(準備、成型方法編)

こんにちは、インターン生の川島です。
本日第2回目は制作工程で「粘土の成型 準備と成型方法」を紹介していこうと思います。よろしくお願いいたします。
まず、陶芸の作品がどのような工程で完成するかを紹介します。

粘土を成型→乾燥→素焼き→(下絵付け)釉薬→本焼成→(上絵付け)→(上絵付けした場合はさらに焼成)→完成

となります。
(あくまで基本的な手順で、素焼きをせずに釉薬をかけて焼成、釉薬をかけない焼き締めなど様々あります)
食器類で普通の大きさでも、約2週間以上かかると思います。(乾燥期間の天候によって左右されます)
大型なものだと乾燥や焼成などもより時間がかかり、さらに1個だけでなく、何十、何百以上制作するのでとても時間がかかります。
それでは各工程の詳細を紹介していきます。

【粘土を成型】

準備編
制作…の前に粘土をそのまま使用せず、状態を良くしなくてはいけません。
状態が良くないと厚さにムラができたり、空気が入り込んで後にひびの原因にと影響を及ぼします。
良くするには2種類の練り方で状態を整えます。

・荒練り
 荒練りとは粘土の硬さを均一にしたり、余分な水分を抜き粘土のバランスを整えます。
 陶芸工房で木材の机が多いのは、この荒練りで木材が粘土の水分を吸収してくれるからです。

・菊練り
 菊練りとは粘土を練った後の状態が菊のような形なので、菊練りといわれています。
 粘土に含まれている空気を抜くのですがなかなか難しく、初心者にとって最初の難関かもしれません。
 私も回数を重ねてようやく菊のような形にできるようになりました。
 空気を抜いたら、まとめるように練っていき三角状にしていきます。

 菊練りの写真 http://www.t-ing.co.jp/flow.html

成型方法
さて、粘土が良い状態になったところでいよいよ形を作っていきます。
皆さんは陶芸といえば何を思い浮かべますか?ろくろで作業しているところをでしょうか?(TVなどでよく取り上げられますよね)
ろくろ以外にも様々な成型方法があるので紹介いたします。

・手びねり(たまづくり)
 粘土の塊を手でのばしながら作っていきます。湯呑み程度の大きさまで作れます。

・ひもづくり
 粘土をひも状にして、少しずつ積み上げて成型していきます。食器類はもちろん、高さがあるもの、オブジェを制作する時も適しています。

 ひも状の粘土を積み上げていく写真 http://www.t-ing.co.jp/flow.html

・ろくろ成型
 轆轤(ろくろ)という機械や手動を使いながら成型していきます。詳細は後に紹介いたします。

・鋳込み
 磁器の食器に多く、石膏の型に泥状態の粘土を流し込み成型していきます。型があるので大量生産もでき、100円ショップの食器類はこの成型で作られたものが多いです。

 型をはずす写真 http://imaritogei.blog33.fc2.com/blog-date-20090218.html

・型おこし(タタラ)
 板状にした粘土で成形していきます。板状の粘土を貼り合わせて箱状にしたり、少し曲げてお皿にしたりなどもできます。
 また、クッキーのように好きな型でくり抜いて、ブローチなど小物を作ることもできます。

基本的な成型方法はこれらになります。
この中にある「ろくろ成型」を次回詳しく紹介いたします。
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
それでは次回でお会いいたしましょう。

(参考文献)
・「T・ING 陶芸作品ができるまで」http://www.t-ing.co.jp/flow.html
・「伊万里陶芸ブログ」http://imaritogei.blog33.fc2.com/blog-date-20090218.html

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

私と陶芸

はじめまして、インターンシップ生の川島と申します。
今日から、私が過去に学んだ陶芸について主に制作工程を10回にわたって紹介していこうと思っております。至らない点があると思いますが、よろしくお願いいたします。

私は明星大学造形芸術学部造形芸術学科(現在はデザイン学部になっています)に所属しておりました。(2016年3月卒業)
専攻は陶芸で卒業制作では中皿5枚と大皿(直径50センチ以上)2枚を制作しました。

1、はじめに私がなぜ陶芸を学んだか
きっかけは高校3年生で課題研究という授業があり、その中で陶芸がありました。
小学生の時に粘土で作品を作った時は楽しかったという思い出、
自分自身で制作した作品を実際に使ってみたいと様々な想いがあって、陶芸を選択しました。
TVなどで成形作業を見ると一見簡単そうに見えますが、実際にやってみると、まぁ難しい。
手のわずかな力加減で厚さや形がだいぶ変わり、粘土が重さで耐えきれなくなり崩れることは日常茶飯事でした。

でも、制作していて楽しいし、面白い。

高校の卒業制作だけでは足りず、もっと学んでみたいと思って大学でも陶芸を選択しました。
大学では高校時代より学ぶことが多く、できることも多くありました。
粘土の種類の多さ、ろくろ成形をはじめ手びねり・鋳造などの成形方法など様々です。
そして約4年間学びまして、卒業しました。

ここで皆さん思うのが、なぜ就職は陶芸関連にしないのかと疑問に思われるかと思います。
将来についてだいぶ迷いましたが、社会経験を積みながら陶芸は趣味で留めようと決意したからです。
陶芸家になったとしても自分自身の作品が売れるかどうか、製作するにしても設備や材料などでもお金がかかり貯金がなければ生活できません。
当時学生だった私は恥ずかしながら貯金があまりなかったため、働きながら貯金していこうと思いました。

2、陶芸について
磁器と陶器
皆さんは百円均一のお店にある食器類を一度は見たことあると思います。実はそれは磁器というものがほとんどで、陶器とは少し違います。
磁器とは「長石」を主成分とした「磁土」という粘土で作られたものです。
白色のものが多く、光にかざすと少し透けて見えます。(透光性)
また白色のため絵付けがより映えやすく、型を使用した大量生産にも多く使用されています。
磁器の打音は高めで、焼く温度は陶土よりも高いです。(約1200~1400℃)
有名な産地ですと九谷や伊万里、砥部など磁器が使用されています。

 磁器のカップ https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tobeyaki/

逆に陶器は「陶土」と呼ばれる粘土で作られたものをいいます。
有色が多く、磁器より少し柔らかく割れやすいです。
陶土は素焼き(1回窯で焼いて形が変形しないようにする)にすると吸水性があり、この状態のものが茶色い植木鉢やレンガなどです。
産地だと備前や益子、信楽などが陶器類が多いです。
陶器の打音は低めで、焼く温度は少し低めです。(約800~1200℃)

 陶器のカップ http://tg-uchi.jp/topics/4681

※中には半磁器といった種類もあるので、一概に区別できるとは限りません。

今回は陶器と磁器の違いでしたが、次回は制作方法なども紹介いたします。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
それでは次回またお会いいたしましょう。

(参考文献)
「東京ガス ウチコト 〇〇焼きはどっち? 見分け方は?「陶器」と「磁器」の違い6つ」http://tg-uchi.jp/topics/4681

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。