アナログ絵描きによるあかしや水彩毛筆彩紹介

 皆さん、こんにちは。インターン生の藤田侑花です。
最終回となる今回は、「あかしや水彩毛筆 彩」をご紹介します。

 このカラーペンは、筆ペンであることと、第4回で紹介したカラーペンと同じく、日本の伝統色を全30色そろえていることが特徴です。また穂先がとても柔らかく、インクが水性染料です。さらに、
  ――引用始め――
  「水を穂先に含ませたり、紙をあらかじめ湿らせることで、やわらかな濃淡も自在に表現できます。」
  ――引用終わり――

 この筆ペンは1本200円(税抜)で販売されています。また、
 ・「5色セット」(春・夏・秋・冬・艶・趣の全6セット)、各1,000円(税抜)
 ・「20色セット」(上記のうち、春・夏・秋・冬の4セットが1つにまとまったもの)、4,000円(税抜)
 ・「30色セット」(2018年12月時点での全色がそろっている)、6,000円(税抜)
この他に、「20色セット」と同じ筆ペン、専用ケース、線引き用顔料インク毛筆ペン、折りたたみ式水入れ、ナイロン画筆、玉皿(絵具のパレット)が一式になった「スケッチセット」(デニムとアイボリーの二種類、各5,500円(税抜))など、様々なセットもあります。

 この筆ペンを実際に使用した感想は、以下の通りです。(あくまで私個人によるものです。人によっては感じ方が異なる場合があります。)
 ・カラーペンというよりは、水彩絵具で塗る感覚に近い。
 ・私がこれまで紹介してきた他のペンの中では、穂先が一番柔らかい。
 ・グラデーションを作る際は、濃い色から薄い色の順で塗った方が綺麗にできる。
 ・白色のカラーペンを上から使った場合、他のカラーペンと比べ、あまり色が白く出ないものがある。

 以上のことを踏まえて、このカラー筆ペンは、水彩絵具や水彩色鉛筆を使ったイラスト制作が好きな方におすすめです。
 
 今回で私のカラーペン紹介は終わりとなります。最後まで読んで下さりありがとうございました。

 参考・引用元URL
 ・http://www.akashiya-fude.co.jp/050_product/sai_01.php
 ・http://www.akashiya-fude.co.jp/050_product/sai_02.php

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

アナログ絵描きによるサンスター絵手紙筆ペン紹介

 皆さん、こんにちは。インターン生の藤田侑花です。
第4回となる今回は、サンスター社の「絵手紙筆ペン」をご紹介します。

 ――引用開始――
  「サンスター社文具のアイデア文具 絵手紙筆ペンは、コクの有る日本の伝統色で描くことができる筆ペン。
   太くも細くも描ける穂先なので絵手紙だけにとどまらず、スケッチ、イラストに最適。」
 ――引用終わり――

 この筆ペンのインクは水性染料です。また日本の伝統色を扱っているため、他のカラーペンと比べてインクの色彩が独特であり、色合いの暖かみが強い気がします。私個人としては、「紅梅色(ピンク)」と「薄香色(肌色)」が特にお気に入りです。そして、ペン先に少量の水を付けると、水彩のような ぼかしや混色が可能です。
 このカラーペンはバラ売りしておらず、2018年12月時点で、12色セット(税抜き1,440円)と24色セット(税抜き2,880円)の2つのセットが販売しています。この2つのうち、扱いやすい色が多い点と、同色系が最低でも2色以上そろっている点から、私は24色セットの方を購入するのが良いと思います。

 次に、このカラーペンを使用した感想を述べると、(あくまで私個人による感想です。実際に使用した場合と異なる可能性があることをご了承ください。)
  ・ペン先にコシがあり、線の強弱がつけやすい。また、細い箇所も塗りやすい。
  ・重ね塗りをすると、同色でも色が一段と濃くなる。
  ・インクはあまり滲みにくく、筆触(塗った跡)が残りやすい。
が挙げられます。

 結論として、このカラー筆ペンは「和風の色合いが好きな方や、他とは色が異なるカラーペンを使いたい!」という方々におすすめです。また、他のカラーペンと併用するのも良いと思います。

 ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

 引用・参考元のURLは以下の通りです。
・サンスター文具株式会社(商品案内ページ)
 http://www,sun-star-st.jp/sscmssys/dd?DEPLOY_CODE=merchanttab&SK_SERIES_ID=396
・amazon(商品案内ページ、24色セット)
 https://www.amazon.co.jp/サンスター文具-S4552601-絵手紙筆ペン-四季の24色/dp/B00385WVOW

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

アナログ絵描きによるダイソーイラストマーカーの紹介

皆さん、こんにちは。インターン生の藤田侑花です。
第3回となる今回は、100円均一ショップ「ダイソー」で販売されている、「イラストマーカー」シリーズを紹介します。

このカラーペンは、
――引用開始――
「油性インクで、両端のペン先はそれぞれ7.0mmの太書き用と、1.0mmの細書き用です。コピックでいうと、クラシックシリーズが一番近いです。」
――引用終わり――
(この「コピックのクラシックシリーズ」というものは、細い方のペン先が筆タイプではなく、細いマーカータイプであること以外は、前の回で紹介した「コピックスケッチ」や「コピックチャオ」とほぼ同じです。)
色は2018年11月時点において、全20色です。以下の色が2本セットで売られています。
ペールオレンジ(肌色)、レッド / オレンジ、イエロー / ライトグリーン、グリーン / ウォーターブルー、ウルトラマリン(青) / ライトパープル、ピンク / イエローオーカー(黄土色)、ダークブラウン / ライトクールグレー、ライトウォームグレー / ミディアムクールグレー、ミディアムウォームグレー / ダーククールグレー、ダークウォームグレー / ブラック、クリアレスブレンダー
このうち、最後の「クリアレスブレンダー」は、マーカーのインクを薄める水のような役割を果たすため、コピックの0番と同じだと評判です。

そしてこのマーカーの最大の売りは、「とても安い」ことでしょうか。どのくらいかというと、2018年11月時点で
108円(2本1セット) × 10セット = 1188円(税込)
この値段でコピックとほぼ変わらない性能を持つのは驚きですね。

では、実際に使用したらどうなるのか。
・「コピックイラスト24色セット」と比べると、色彩がより鮮やか。濃い色と薄い色の差が大きい。
・使用した感じは、クラシックコピックとほぼ変わらない。
・ペンによってはキャップが固いものがある。
・重ね塗りをすると、コピックよりもインクがやや滲みやすいかもしれない。
(ここでの感想はあくまで私個人によるものですので、人によっては感じ方が異なると思います。ご了承ください。)
また、マーカーのインクが紙に滲みやすい点もコピックと同じなため、色塗りの際は裏紙を必ず敷きましょう。

以上を踏まえた私の結論としては、使用してきたカラーペンの中で、最も費用がかからずにアナログイラストの制作ができるため、とても満足しました。しかし、マーカーの色味はやや使いにくい方かとも思いました。
また、「コピックがどのようなものか興味がある!」「カラーペンやマーカーを使ったイラスト制作がしたい・好きだ!」という方々に特におすすめです。
改めて、このイラストマーカーは、100円ショップ「ダイソー」で販売しているため、ぜひ皆さんも試してみてください。

ここまで読んで下さりありがとうございました。

今回の記事で参考・引用したサイト(Tokyo Bargain Maniaのサイト)です。
https://bg-mania.jp/2018/08/08258836.html

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アナログ絵描きによるコピック紹介(後)


 皆さん、こんにちは。インターン生の藤田侑花です。
第二回となる今回は、前回の続きとして、コピックセットについて紹介していきます。
 前回で述べたように、コピックはとても種類が多く、「何色を買ったら良いか分からない!」という方もいらっしゃると思います。そのような方に勧めるのが、コピックがまとめて売られているセットです。セットはいくつかありますが、ここでは私個人がおすすめするものを取り上げていきます。
 まず、コピックチャオからは、二つのセットを紹介します。
 一つは、「コピックデビューセット」(税別3600円)です。
  引用開始
  「初心者に使いやすい色組と、マルチライナー0.1mm、ぬり絵、スケッチブックSサイズ、さらにイラストによるコピックミニガイドなど、コピックイラストを始めるのに必要なものをセットにしました。」
  引用終わり
 マルチライナーとは、コピックの線画に適したペンであり、このセットには黒色と、明るい茶色のセピア色の二色が同封されています。また入っている色は、薄紫(BV00)、ピンク(RV02、RV10)、黄(BG23)、青(B02)、茶(E33)、薄グレー(C2)の全10色です。このセットは、「コピックデビュー」という名にふさわしく、すぐにコピックを使ったお絵描きが楽しめるようになっています。
 もう一つは、「スタート12色セット」です。
  引用開始
  「スタート用に厳選した12色セットです。少ない色数でも塗り重ねることで多様なカラーリングができます。」
  引用終わり
 このセットは、上の「デビューセット」に比べ、インクの彩度ややや高い色が多いと私は感じました。また入っている色は、薄紫(BV31)、ピンク(RV21)、肌色(R000)、赤(R35)、オレンジ(YR31)、黄(Y02)、緑(BG23)、青(B02)、茶(E31、E93)、薄グレー(W2)、カラーレスブレンダー(0番)の12色です。そしてマール社から出版されている、コピックの公式ガイド本「12色でスタート!はじめてのコピックイラスト」では、このセットを使ったイラスト制作の説明がされているため、合わせて購入するのが良いと思います。(コピックセットと本は別売りです。)
 次に、コピックスケッチからは、「コピックイラスト24色セット」(税別9,120円)を紹介します。
  引用開始
  「コミックイラストをはじめる方にぴったりの厳選セットです。各系統の基本色と、混色に便利な色をチョイスしています。」
  引用終わり
 このセットには、「使い方テクニックガイド」というガイドブックが付属しています。また、コピックの公式サイトではこのセットを使った作例が8つもあり、コピックのセットの中で最も多いです。上2つと比べて値段が高いですが、このセットだけで混色や、特に同系統の色によるグラデーションが簡単に作れます。実際に私がコピックでお絵描きする時には、ほぼこのセットを中心に塗っています。
 ここまで読んで下さりありがとうございました。引用・参照にしたサイトは以下の通りです。
  https://copic.jp/product/sketch
  https://copic.jp/product/ciao
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アナログ絵描きによるコピック紹介(前)

 皆さん、初めまして。インターン生の藤田侑花です。
 私は主に、絵を描くときに用いるカラーペンを取り上げていきます。第一回となる今回は、コピックを紹介します。

 コピックは、Too社から出されているアルコールマーカーです。コピックにはペン先が二種類あり、一つは太くて硬いマーカーのようなもの、もう一つは筆のようになっています。またコピックにはいくつか種類があり、「コピックスケッチ」と「コピックチャオ」が特に有名です。この二種類の違いは、スケッチと比べてチャオの方は持ち手が丸く、値段が安く、インクの量がやや少ないなどがあります。
 そしてコピックの大きな特徴は、「色の数が多い」ことが挙げられます。このため、他のカラーペンにはない、淡くて薄い色や、逆にハッキリとした濃い色がたくさんあります。また、0番と表記されている、カラーレスブレンダーというものがあります。これは絵の具の水にあたるもので、コピックのインクを薄めたり、滲ませて水彩画のような感じに表現することができます。そしてこの0番を応用することで、はみだしてしまった箇所などのコピックのインクを消すことも可能です。(ただし、インクが滲みにくい紙では、インクが消えにくいことがあります。)

 しかし、最初は逆に「数が多すぎてどの色を買えばよいのか分からない…。」と困惑してしまうかもしれません。そのような方には、コピックセットがおススメです。このセットについては、次回で詳しく取り上げます。

コピックの公式サイトです。
https://copic.jp

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油絵のひみつ「パレットナイフを使う」

こんにちは。インターン生の武井です。今回が最後のお話となります。

油絵の制作をする上で便利な道具がパレットナイフ、もしくはペインティングナイフです。
主に金属製で、折れ曲がった先端に三角型の薄い板がついています。バターナイフに似ているというとわかりやすいでしょうか。
使い易いのは折れ曲がったものが基本ですが、直線のナイフ状のものや幅広いヘラ状のものもあります。

これをパレットの上での混色や、画面への絵の具の盛りつけなどに使います。

チューブから出した油絵の具は延びが悪く、筆を使って混ぜようとするとうまくいきません。
筆が絵の具まみれになってしまうと洗うのが大変です。また、乾性油をつけた筆でなら流動性は出ますが、毎回油を使っていては油が多くなりすぎますし、筆に油が溜まってしまうのでよくありません。
制作中の色の調整のために筆先で混ぜる程度なら問題ありません。ナイフが役に立つのは描き始める前の調色です。
特に、ひとつの色を大量に作るときには欠かせません。
パレットに出したチューブ絵の具を、ナイフで切るように量を分けて、押し広げるように混ぜます。
出した状態が硬いチューブ絵の具は、ナイフで練っておくと粘りが出て、ずいぶん使い易くなります。
新たに色を作るときは、ナイフから前の色を取り去っておきます。布や紙で拭き取るだけでキレイにすることができます。

混色に使うだけでも便利ですが、制作にもおおいに役立ちます。

厚い地塗りを平らで均一に施したいときに使えます。
平滑に乾燥した絵の具の表面には、独特な描き味があります。また、非常に硬い塗料を地塗りするときはナイフやヘラが欠かせません。

制作中、構図を大幅になおしたくなったときや、上塗りを失敗してしまったときには、ナイフで削り取ってしまいます。
キャンバスは丈夫に出来ているのでガリガリと削っても大丈夫です。絵の具の乾燥面も堅牢なので、上塗りが乾かないうちなら、力の入れすぎに注意して、綺麗にすくいとってしまうことができます。

ナイフに取った絵の具を盛りつけると、盛り上がった絵の具の表面によく光が反射して、絵の部分を強調することができます。
ナイフの面でベタベタと叩くように絵の具をつけたり、エッジを勢いよく走らせたりすると、筆では作れない大胆な調子をつけられます。
筆を使わずに、ナイフだけで制作することも可能です。私もかつてはナイフだけの制作をしていました。
筆で描くよりも圧倒的に多くの量の絵の具が画面に乗りますので、レリーフのような、もしくは木を荒く削ったような、立体的な迫力のある絵が生まれます。

パレットナイフも、大は小を兼ねるので、大きめのものがひとつあればよくつかえますが、私はむしろ一番小さいサイズのものを多用しています。
あまり制作にナイフをつかわないようになると、パレットでちょこちょこと混ぜるにはどうしても小さい方が便利ですし、手入れも楽です。

自分の絵の具の扱いに合ったサイズのものが、1本あるだけで制作がずいぶんスムーズになるので、ぜひお使いになってください。

以上、パレットナイフについてのお話でした。

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油絵のひみつ「乾かないうちに描く」

こんにちは。インターン生の武井です。今回は、油絵の特徴である、「乾くのが遅い」ことについてお話しします。

「乾くのが遅い」というのは欠点であるように聞こえます。アクリル絵の具の、すぐに乾いてサクサク描ける性質がお好きな方は多くいらっしゃると思います。
絵の具が乾かないと、それ以上描き進められないような気がします。絵の具が混ざって汚くなってしまうからですね。

しかし、油絵の具は水ではなく油に溶くものです。油には粘りがありますから、未乾燥の上から別の色を重ねると、確かに混ざりますが、水のように滲むことはありません。
この滲まずに混ざる性質が、制作では良い具合に働きます。

前回お話ししました、乾かない内に、硬い筆で絵の具が油の中に入り込むように描く、というのは油の性質の賜物です。
すぐに乾いてしまう絵の具では、一度色を載せたら手出しが出来ません。乾燥しても水溶性のものなら水を使って変化させられますが、描いてある図を滲ませることになります。
比べますと、油絵では乾かないうちなら、色や形の微細なコントロールが効きます。
筆先を使って絵の具の「フチ」を削ったり、逆に伸ばしたりして調整が出来ます。
また、少しづつ色を加えれば、形象を滲ませずに段階的に変化させることもできます。

画面上に乗せた色を直接混ぜることもできますが、絵の具が厚くなってきてしまい、だんだんと手を加えづらくなってきます。
油絵の具は粘りがあるので、布やナイフを使えば、乗せた絵の具をそのまま取り去って描きなおすこともできます。

油絵の混色には3つの方法があります。
ひとつ目は絵の具を混ぜる方法です。まず混色といえばこのことですね。パレットの上で混ぜるのは他の絵の具と変わりませんが、前述の通り、乾かないうちなら画面に乗せた絵の具でも同じように混ぜることができます。
ふたつ目は透明色を重ねる方法です。これも、乾燥面に耐水性のある絵の具なら可能なことですが、油絵の具では、「透明層も乾かないうちなら手を加えられる」ことが大きく違います。
                 下絵を崩すことなく、透明色を混ぜ合わせたり、筆で削ったり、布で拭き取ってしまうこともできます。一度乾燥した油絵の具は強い膜となるので、少しのことでは絵が崩れません。
みっつ目は油の中に色を入りこませる方法です。これは油絵特有の方法です。乾いていない油の層を、削らないように、筆先を使うようにしてスッと線を引いてみます。すると、塗れた油の層の中に絵の具が引き込まれて線が沈みます。
                      水の中に糸を落として累積させていく感じでしょうか。同じように繰り返すことで、集合した線が網となり、色の諧調を変化させます。

一般的に「ボカす」とは、非常に柔らかいブラシで色の境界を曖昧にして描くことだと思います。油絵では、既に描いた画面でも、乾かないうちに柔らかい筆を使って同様のことができます。
加えて、「みっつ目の方法」でもボカすことができます。少し幅のある筆の先で、一度に何本も線を引くようにして、様々な方向に重ねていくと、編み目上にボカした境界をつくることが出来ます。

油絵の具には使い方の選択肢がいろいろとあります。絵の具や油を、試しに使いすぎたり、使わなすぎたりしてみると、その特性に早く慣れることが出来ると思います。
自分にとっての使い易さを見つけると、油絵の本当の楽しさが始まるので、扱いづらさを感じても、性質の一面を嫌わずに、いろいろと試してみてください。

今回は、油絵の乾かない性質のついてのお話でした。

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油絵のひみつ「透明に絵の具を使う」

こんにちは。インターン生の武井です。前回は、モチーフの色をつける前に、一つの色調で形や明暗をはっきりと設定する工程についてお話ししました。
今回は、その絵の具層に色をつける工程についてお話しします。

既に設定されている明暗を使いますので、その情報を利用するために、透明な色使いをします。
油絵の具には透明なものと不透明なものとがありますが、ふだん使うほとんどの絵の具は不透明に出来ており、透明色は色づけにつかうことが多いです。

不透明色は下に描かれているものを隠す力が強く、主な描画に使われます。新たに形を描きだすときには隠蔽力の強い色は便利です。
透明色は、下に描かれた絵の明暗関係に従います。効果は透明なフィルムを透かして見るときと同じです。透明色を重ねて、既に描かれているよりも明るくすることは出来ません。

ほとんどの透明色は、チューブから出すと、ラベルの色見本と比べて非常に暗く沈んで見えると思います。これは光が分厚い色の中を通るので、絵の具の中から出るころには明るさが失われてしまうからです。
紫、青、緑の、寒色の透明色は特に暗く見えますが、白い表面の上に薄く重ねると、とても明るい色を出すことが出来ます。
複数の透明色を混ぜると彩度が失われた暗い色になりますので、絵に陰をつけるには便利です。

ほどほどに透明な性質を持つ不透明色もあります。メーカーによっては、より不透明に近い半不透明色が設定されていることもあります。

絵の具についてのお話でご紹介したものの中では、ウルトラマリンブルー、キナクリドンローズ、ビリジャンが透明色です。
バーントシェンナとバーントアンバーは、メーカーによって不透明から半透明になりますが、透明性のあるものが扱いやすいです。

特に持っておきたい透明色は、オキサイドレッドとオキサイドイエローです。名前の通り酸化鉄が原料の、透明な茶色と黄色です。
正確にはトランスペアレントオキサイドとした方が正しいです。
これらを透明なバーントシェンナとイエローオーカーとして扱うメーカーもあります。顔料を確認してください。

ウルトラマリンと合わせると、例の3色の透明版となります。同じように使い勝手がいいのでおすすめします。

さて、無彩色層への着色ですが、これらの透明色を使わなければ出来ないわけではなく、不透明色も使えます。
透明、不透明というのは絵の具の性質であり、油を多めに使えば不透明色もある程度透明に使うことが出来ます。
また、透明色を重ねれば終わり、という風に単純なものではなく、色の層を透かす分、明度が失われるので、不透明な絵の具を使って「色の層」として作り直すことになります。
主には、白い絵の具を使って明度の調整をします。
前回お話ししました、暗色で暗くした表面に白色を使って、光が浮き出すように描くということがここでも使われるわけです。
この場合は豚毛の筆が使いやすいです。硬い毛先につけた絵の具で、乾いていない色の表面にスッと立てた筆を運ぶと、透明色の中に不透明色の線を入りこませることが出来ます。
鉛筆を重ねるように、べったり絵の具を引くのではなく、サッサッと筆を加えると上手くいきます。

透明に色を重ねることをグレーズ、グレージングといい、透明なメディウム、つまり絵の具を溶くものを使う技法と説明されます。
そのメディウムには樹脂ワニスの使用が推奨されます。主にダマー(ダンマル)とマスチックがあります。
ワニスとはニスのことで、ワックスと同じようなものです。透明で、乾くと硬く固まってツヤが出ます。
単体では完成作品の表面の保護に、グレーズには乾性油と揮発性油と混ぜて使われます。
透明色と合わせると、絵の表面に色のついたガラス層を作ることができるため、グレーズにとても向いています。
また、普段の画用液に混ぜて使うことで、絵の具の表面が硬化するようになり、早く重ね塗りが出来るようになります。

グレージングメディウムは、乾性油1に対してワニスを1、揮発性油を2で作るのが基本です。
この量を好みで調整して使います。

しかし、早く乾いて層を作ってしまうので、色をじっくりと試したいときには勝手が悪いときもあります。
そのような時はワニスを使う必要はありません。乾性油を主体に、乾かないうちに、不透明色の浮き出し効果も使いながら色を練り上げていきましょう。

揮発性油だけ使っては、描かれた絵を溶かして混ざってしまうのでいけませんが、混ざるような効果を表現したいときには使えます。

一つの色で無彩色層を作るときと同じで、厳密な技法にとらわれることはありません。
描きやすいようにアレンジして、自分なりの制作法を探してみてください。

今回は透明に色を使うお話でした。

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油絵のひみつ「無彩色で光を描く」

こんにちは。インターン生の武井です。前回は色を使って油絵を描く工程のお話をしました。
今回は、一つの色から描き始めて、形と光を作る制作についてお話します。

モチーフの形と色を同時に進めていく方法に対して、初めに一つの色で形や光を描写してから、透明な色をつかって着彩していく方法があります。
前回、モチーフの色をつける前に、バーントアンバーでおおまかに下絵を取る工程がありましたが、その時点で入念に細部まで描きこみ、一旦完成させる画法だと思ってください。
形と色の工程を分けるので、形を正確にとりたい方や、色は色でじっくりと作り上げたい方におすすめします。

白と黒を使ってグレーの色調で描く場合をグリザイユといい、バーントアンバーなど茶色の色調で描く場合をカマイユといいます。
茶色系の色調で下絵を描くと、上に重ねた色彩に深い奥行や、暖かみを与えることができるので、人物から静物、風景まで使えて万能です。
完全に混じり気ないの白と黒のみで無彩色の下層を作る場合は、「黒」に注意が必要です。
絵の中に、全く真っ暗な黒い陰の部分を作ってしまうと、上から描くときにその部分が扱いづらくなります。全く彩度も明度もない黒色は、光を吸収するので、透明色を塗り重ねたときにキレイに色が出ません。

色調を似ている色の範囲に統一すればの型にとらわれる必要はなく、彩度の低い、後で邪魔にならない色なら、何色を使っても構いません。使い易い色を使うとよいでしょう。おそらく、その色が「あなた風」の色として、着彩に移ったときに効果が出てくると思います。
私は主に、バーントシェンナとウルトラマリンブルーを混色してできる、黒い茶色から紫までの暗色を使います。
透明性のある暗色は、塗り重ねて明度を調整したり、乾かない内にその透明な層に白で描き加えて、微妙な白の諧調を作ったりできるので便利です。

無彩色で描く場合も、使う色を白と混ぜた諧調を二、三段階作っておくと明度の組み立てがしやすくなります。
しかし、基本的な使い方は、段階的に作った色のベタ置きではなく、暗色を薄く塗った上から白色を使って光の部分を浮き出させていきます。
鉛筆や透明水彩で描く場合は、陰の部分を加えていくことで光も明るくなっていきますが、それとは逆に、光の部分を加えることで、明部はより明るく、陰は深くしていきます。

陰になり、周り込む部分を描き加えていく意識を「ネガ」の意識とすれば、明るく、こちらに迫り出してくる部分を描き加える意識は「ポジ」の意識です。
「ポジ」の意識で描くと、モチーフが浮かび上がるような立体感を出すことが出来ます。また、光の満ちた領域に影を差し込んでいくよりも、闇の中に光を当てていく方が状況に矛盾を感じづらいです。
光は当てたところだけ、また、追加すればするだけ明るくすることが出来ますから、控えめに描かれた場合も、または真っ白な場合も、「そのように操作された光が当てられている」と自然な認識をしやすいものです。
しかし、陰は光によって決まるものなので、影を加えるときは、支配的な要素である光の存在を頭に置きつつ、作業しなければなりません。影を加える、ということは、影が発生したわけではなく、相対的に周囲が明るくなった状況にすることです。闇から光を浮き出す場合、手を加えていない場所は光が当たっていない、ということですが、光に陰を置く場合、たちまち、そこにはその陰を作り出す厳格な光の法則があることになりますから、画面に加えるあらゆるものをその法則に従わせる手腕が必要になります。モチーフが近い場合は、自然な状況を作るために、別のモチーフの形状に沿って落ちる影のことまで考えなくてはいけません。

光を描くのは、陰の部分は描かなくてよい、楽な方法であるように説明してしまいましたが、気を付けなくてはいけないポイントがあります。
闇の中に強い光が当たったとき、モチーフの明部は光で飛び、陰は闇に消えます。ただしその分、光と陰の境目の描写に全力を尽くさなければなりません。
そのモチーフがどのような性質であるかが、明暗の境界だけで決まります。ここをしっかり描かないと、白飛びと暗闇だけの、簡単な絵に見えかねないので気を付けてください。

光を描く制作は、より自然な、しかもドラマチックな雰囲気を、より少ない手数で作りだすことが出来るので、大変都合がよく、描く人にも見る人にも好まれるように思います。
絵に今一つ迫力が足りないと感じる方は、ハイコントラストにしようと陰影を強調するよりも、暗い画面からの光の浮き出しを試してみてください。
先にドラマチックな光を作り出しておき、後から色による雰囲気作りをしてみましょう。
完成までのアプローチを変えることで、生まれるアイデアもあると思います。

以上、今回は、無彩色で光を描く制作についてのお話しでした。

興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。

油絵のひみつ「色を使いましょう」

こんにちは。インターン生の武井です。前回より続けて油絵の制作についてお話しします。

バーントアンバーなどの濃い色で全体の明暗の関係ができましたら、モチーフの色をつけていきます。
絵の具についてのお話で紹介しました基本の3色、バーントシェンナ、イエローオーカー、ウルトラマリンブルーを使ってみます。
まずは、バーントシェンナとウルトラマリンを混ぜて、最も暗い色をつくっておきます。
下絵の色と関係がよくなるように、バーントシェンナの赤みが見えるくらいの比率で混ぜるとよいでしょう。
透明度と色みを持った暗色は、他の色を暗く調色する場合の色の鈍りを防げますし、乾性油を使って薄く透明に塗り重ね、描いてある部分の色味を調整することもできます。

色の多いモチーフを用意してある場合は、上記の3色では明らかに色みが足りないように見えると思います。
しかし、モチーフの色を再現しようとがんばるよりも、全体の雰囲気の中に、モチーフが持つ色の関係を整理するようにした方が、一枚の絵としての感じがよくなります。
使う絵の具でモチーフの色を「再現する」ではなく、「再構成する」ことに慣れましょう。
いかに本物そっくりに描いてある絵でも、使われている絵の具をモチーフに塗ってみると確実に色が異なります。
絵の具の色をどんなに多く用意したとしても、自分の目と絵の具で色を捉えなおすことは必要になりますし、最初は使う色の範囲が狭い方がコントロールがしやすいのです。

それでは、バーントシェンナ、イエローオーカー、ウルトラマリンの三色を使って、パレットの上にモチーフの色を作ってみます。
金属製のパレットナイフを使います。まずは目に見える赤や青などのモチーフの色を3色の混色で作り、その「色」の感じを維持しつつ、明るいバージョンと暗いバージョンを作ります。
例えば赤ならば、用意した色で最も赤いのはバーントシェンナですから、これが基本になります。
これを明るくしますが、単純に白だけを加えると、グレー寄りになってしまうと思います。黄色と青色も混ぜつつ、モチーフの色と、その色が明るくなっていく関係を保つようにします。
また、黄色を暗くする場合ならば、黒だけを加えると緑寄りに変化したように見えてしまうと思います。
場合に寄りますが、多くは、少しの赤みを足すことで、黄みを保ったまま暗くなったような色を作ることができます。

用意ができたら色をのせていきます。作った明るい色を、明るい部分につけ、暗い色を暗い部分につけていきます。
徐々に、作った色をそのままではなく、筆で混ぜつつ使うことになりますが、部分を描くときに毎回、その明暗に対応する色を筆で混ぜながら描くよりも、効率的です。

明るい部分に色がついたら、暗い部分の色を、作ってある色で置き換えていきます。
影の中の色みは、そのものが持つ色の印象に大きく関わります。単に黒で暗くするよりも、混色で作った暗色を使うほうが、色みを維持できるのです。
注意が必要なのは、影の中の色は周囲にある色に影響されやすいと言うことです。
よく観察して、微細な影の中の色味の変化を作るとリアルに見えますが、目には見えずとも、周りに置いてあるモチーフの色を混ぜて快調を作ると、同じ空気の中に配置されているような雰囲気が出ます。
少ない数の絵の具を使うと雰囲気を作りやすいのは、混色の段階でこうした関係が自然と作られるからです。

全体に色がついたら、それぞれのモチーフの色のバランスを見て、自分が気持ちいいと感じる雰囲気に仕上げていってください。
自分がモチーフから受けた感覚の経験を、絵の具という物質を使ってキャンバスに記憶する、ということが、手を使ってものに絵を描くおもしろさだと思います。

以上、色を使ってモチーフを描くことのお話でした。

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